栗原恵は春高バレーに出場した大友愛の娘を見て「末恐ろしい」。準優勝した母校のエース、世界基準の留学生についても語った (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――タピア選手の他に、大会のなかで注目した選手はいますか?

栗原:誠英で言うと、北窓絢音選手(3年/182cm)がすばらしかったです。事前に誠英の田渕正美監督と話した際には「守備の中心」と聞いていましたが、準決勝、決勝ではチームがつらい場面で得点を決めていました。チームを鼓舞するなどキャプテンシーが増し、「自分がエースだ」という自覚が表情に出ていて、「春高の力」によって成長した選手のひとりだと思います。

 卒業後に入団する久光スプリングスは、これまでも元日本代表の新鍋理沙さんをはじめ、ディフェンスがすばらしい選手がたくさんいたチーム。そこで北窓選手もさらに大きく成長するでしょうし、今後も含めて将来が楽しみです。

――優勝した古川学園ではいかがですか?

栗原:タピア選手に比べると注目度は低かったかもしれませんが、ライトの南舘絢華選手(3年/168cm)はいいプレーをしていました。勝負どころで決めきる力があり、特に決勝は彼女の活躍が優勝を引き寄せたと思います。リードした誠英が一気にいきそうな場面で、何度も流れを断ち切っていた。実況席からは、フルセットの第5セットの前に右足をすごく気にしていて、攣っているように見えました。「どう対応するのかな」と思っていたんですが、タピア選手と阿部明音選手(3年/172cm)を中心に、いいバランスで得点していましたね。

 取材の際に岡崎典生監督から、南舘選手は3年生で唯一、レギュラーとしてプレーしたことがない選手だったと聞きました。すばらしい選手がたくさん集まる強豪校で、彼女だけ地元出身ということもあって、不安やプレッシャーもあったと思うのですが、その苦労がすべて報われるような、胸が熱くなるプレーを見せてもらいました。

――決勝に進んだ2校以外ではいかがですか?

栗原:金蘭会高校(大阪)も大会前に取材したんですが、その時から上村杏菜選手(2年/168cm)とリベロの徳本歩未香選手(3年/152cm)がすごいなと感じていました。

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