栗原恵は春高バレーに出場した大友愛の娘を見て「末恐ろしい」。準優勝した母校のエース、世界基準の留学生についても語った (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

――確かに、タピア選手の日本語のうまさには驚きますね。

栗原:そうですよね。異国の地でつらいこともあっただろうなかで、バレー以外の部分でもすごく努力した結果だと思います。すばらしい日本語でのインタビューの対応を見ると、人間としても大きく成長したんだろうなと感動します。

 何より、タピア選手は日本のバレーに対するリスペクトもすごくて、「ドミニカではこんなバレーはしたことがなく、チームメイトのために動く選手もいなかった」とはっきり言っていました。また、「日本では誰かが間違っていたら、本当は言いたくないけれど、心を鬼にして注意する人が多い」といったことも話していて、そこは日本人が気づきにくい日本のバレーのよさなのかもしれないと教えられました。チームとしても魅力的でしたし、母校は負けましたが、古川学園が優勝したことも心からうれしかったです。

――タピア選手は自国のアンダーカテゴリーの代表で活躍していますが、そういった選手と対戦する機会があることは、他の日本の選手たちにとってプラスになるでしょうか。

栗原:それは間違いないです。対戦相手もそうですが、一緒にプレーしている選手たちも、ふだんの練習から196cmからくる高さのあるスパイクを受けられているので、古川学園はBチームも絶対に強いでしょうね。世界基準の高さやパワーがあるスパイクをレシーブできる、ブロックできるということはすごく貴重な経験です。彼女がこの3年間を日本でプレーしたことは、日本の高校女子バレー界にとって大きかったと思います。

――今後、他の高校も留学生をチームに入れていってもいい?

栗原:それはチームのスタイルもありますし、高校によるのではないでしょうか。タピア選手がチームに溶け込めているのは、本人の努力だけでなく、古川学園がこれまでも留学生を受け入れてきた経験が大きいと思います。寮生活、食事の面などのサポートもしっかりしているでしょう。そういう土台がないと、選手が精神的にも難しくなる可能性があるでしょうから、慎重な判断が必要だと思います。

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