西田有志がFC東京の活動休止で強く抱いた危機感。「先を見て動かないと、バレー界だけが置いていかれる」 (3ページ目)

  • Text by Sportiva

――ここまでの西田選手の言葉から、強い危機感を抱いているのがわかります。

「バスケットボールのBリーグが盛り上がっていて、ハンドボールもプロリーグ構想が発表されました。バレー界も先を見ていろいろ動かないと、バレー界だけが置いていかれてしまうと思うんです。

 それは今回のFC東京さんの活動休止で強く感じました。僕がまだ18歳で内定選手だった時に試合をしたんですが、あの応援が一番好きなんです。サッカーチームのサポーターの方も来ているからか、みんなで声を出して歌うんですよね。その応援の方法だけが正解ではないですが、めちゃくちゃ盛り上がっていた。応援のいいお手本のひとつと思っていたし、仲がいい選手も多いですから、そんなチームがなくなってしまうことが本当に悲しいです。

 活動休止はとても大きな出来事だと思いますが、バレーファン以外で今回のニュースに関心を持ってくれた人はそこまで多くないと感じます。それが実情だと思いますし、それに対して具体的な動きができず、その決定を変えられなかった自分の力不足も感じた。だからより、『今動かなきゃ』という気持ちが強くなっています」

――現役の選手が、ここまで具体的に危機感を口にすることは珍しいと思います。

「ファンの方の中には、『選手だから、そこまで言わないほうがいいんじゃないか』と感じる方もいるでしょうね。反感を抱く方もいるかもしれませんが、このままではVリーグ、ひいては日本バレー界の未来が失われるかもしれないという現実を突きつけられているのに、目を背けることはできません。

 Vリーグで4シーズンをプレーして、イタリアに渡って違うバレー文化に触れた今だからこそ、『日本バレーも変わる時だ』と感じたんだと思います。結局は何を言っても変わらないかもしれないけど、誰かが言わなければ、行動しなければ何も起こらない。日本ではプロの選手が少ないので、Vリーグで選手会を作ることは難しいでしょう。それでもやはり、選手側から声を上げていく必要があると、僕は思っています」

(西田有志がイタリアで感じる「練習は量より質」。石川祐希に頼んだ「買い出し」や直接対決も語った>>)

■西田有志 YouTube公式チャンネル
『YUJI NISHIDA CHANNEL』
詳しくはこちら>>

■男子バレーボール界の若きサウスポーエース、西田有志の初書籍

『エースの翔道』が重版‼

<収録されているテーマ>
・本人をはじめ両親や指導者などの証言で辿るバレー人生
・清水邦広や柳田将洋とのプレミアム対談
・チームメイトから見た素顔
・日本代表セッターが語る歴代エースとの違い
・カラーページは撮り下ろし、オフショットが満載
・大人気マンガ『ハイキュー!!』の作者・古舘春一先生の描き下ろしイラストを2点収録

ご購入はこちら>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る