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2016年、世界と勝負する
日本テニス界の若手女子選手たち (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 ただ、彼女の試合を見れば、WTAツアーで勝てたのも納得です。体幹がぶれないのでストロークが安定していて、高いボールにも対応できる。「破壊力」というより「粘り強さ」を持っていて、ツアーでは相手が根負けするんだろうなと感じます。自分の世界をしっかり持っているので、想像するに、環境の変化にも動じない性格なのではないでしょうか。

 日比野さんにとっても、今の日本女子テニスはとても良い状況だと思います。同期の1994年生まれには、尾崎さんや穂積さんといった、早くから期待されていたライバルたちがいます。さらに良い状況なのが、同世代を追い越したら、またすぐに上がいること――。上には「奈良・土居」がいて、それらの選手をランキングで追い越したと思ったら、再び土居さんが抜き返しました。

 抜かれた奈良さんにしてみても、ずっと日本女子ナンバー1をキープしていた状況から3番手になったので、「そこからまた上に行くぞ」という気持ちになれているでしょう。「負けられない!」「のんびりしていられない!」という気持ちは、"持とうとする"というよりも、自然と"表れてくる"ものだからです。もちろん、何も感じない人もいるし、「人は人、私は私」と思う人もいるでしょう。そこは性格ですが、ただ今は、「私もやるぞ!」と思う選手が上に3人揃っているなと思います。

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