車いすテニス王者・国枝慎吾と14年。丸山弘道コーチが描くリオでの夢

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu

 テニスコーチとして数々のジュニア選手を全国トップレベルに引き上げ、現在は車いすテニスのトップ選手である国枝慎吾、三木拓也両選手を指導する丸山弘道氏。選手として、ジュニア、車いすテニスのコーチとして、様々な面からテニスを見てきた丸山コーチが目指す、指導者としての理想について語ってもらった。

丸山コーチが14年間指導している世界ランク1位の国枝慎吾選手。photo by Abaca/AFLO丸山コーチが14年間指導している世界ランク1位の国枝慎吾選手。photo by Abaca/AFLO―― コーチ自身のテニスとの出会いを教えてください。

丸山弘道(以下、丸山)私は子どもの頃、毎週日曜日に寝込むくらい虚弱体質でした。何かスポーツをやろうと、水泳や剣道の見学に行きましたが、どちらも裸や素足で寒くて難しかった(笑)。それで、たまたま知人が通っていたテニススクールを調べてみると、テニスのトレーニングに私が好きな野球も含まれていて、「これは楽しそうだなぁ」というところからスタートしました。

―― 学生時代はどのように過ごしていたのですか?

丸山 小学4年でテニスを始めてから、1年もしないうちに県でベスト4ぐらいまで行ったんです。それを機に、将来の夢がプロ野球選手からプロテニス選手に変わりました。大学3年のインカレでベスト4に行ったらプロになろうと思っていたんですが、届かなくて......。それで、テニスはもう学生で終わろうと、日本生命に就職しました。社会人をやっている4年間は一度もラケットを握りませんでしたね。

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