【ワールドカップ】サッカー日本代表は優勝どころかベスト8も困難に 大会拡大の当然の帰結
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連載第100回
杉山茂樹の「看過できない」
フランス対スペイン、イングランド対アルゼンチンという準決勝の2試合は、何を隠そう、抽選会後にこの連載コラムで筆者が予想していた対戦カードだった。フランス1位、スペイン2位、イングランド4位、アルゼンチン3位――は、大会開幕直前のFIFAランクで、それに従う当たり前すぎる結果だ。自慢するほどの話でもないだろうと言われそうだが、この予想は同時に、大会全体の展望をも意味していた。本大会出場国が32から48に増えればハプニングが多発するとの見方を、筆者は否定する立場だった。32チームでの争いよりチーム間の格差が広がるので、逆に番狂わせは起きにくいと読んだわけだ。
グループリーグからの勝ち上がりで番狂わせと呼べるのは、せいぜいグループHでウルグアイがカーボベルデの後塵を拝して32強入りを逃したくらいだろう。決勝トーナメントに入ってからでいえば、1回戦でドイツがパラグアイに、オランダがモロッコにそれぞれPK戦で敗れた試合は番狂わせと言えるだろう。ちなみにブラジルがノルウェーに16強の戦いで敗れた一戦は完全な力負け。番狂わせには該当しない。
ブラジル戦の試合後、観客席に一礼する森保一監督 photo by JMPA 日本がグループリーグを戦ったグループFもまさに順当だった。オランダが首位で抜け、日本とスウェーデンが2位、3位を争うというのは当初の予想どおりだった。想定外はチュニジアが弱すぎたことぐらいか。
日本が32強でブラジルに敗れた試合も、スコア的には惜敗だったが、中身的には順当だった。そこで勝っても16強の相手はノルウェー。万が一、ノルウェーに勝っても8強の相手はイングランドだ。
だが、この抽選の結果を見ても、森保一監督は「優勝」を目標から外さなかった。むしろ口から発せられる頻度は増した。そして何度でも言うが、NHKを筆頭に多くのメディアはその不自然さを追及するどころか、一緒になって舞い上がろうとした。日本が敗れてから「クジ運が悪かった」と嘆くメディアは情けなかった。専門性が疑われる恥ずかしい言動である。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


