「よっしゃー!」早明戦で191cmの巨漢LOが吠えた。「早稲田大にスクラムで受けているようじゃ...」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【帝京大にリベンジしたい】

 明治大は攻守にわたって「前に」出続ける意識が高かった。武内は「一人ひとりが『前に出る強い明治』を体現できた。ディフェンスでも、ゲインラインを切られると次がしんどくなるので、前に出て止めようとした」と胸を張った。

 この勝利によって明治大は対抗戦2位となり、シード校として大学選手権に臨む。準々決勝からの参戦となり、12月25日に東京・秩父宮ラグビー場で早稲田大(対抗戦3位)対東洋大(リーグ戦3位)の勝者と対戦する。早稲田大と再戦する可能性も十二分にある。

 日本一奪還に向けて、武内は語気を強めた。

「(負けた)帝京大戦はスクラムの時間が長く、プレータイムが20分くらいしかなかった。昨季からFWは走ってフィットネスを鍛えてきているので(もっとプレータイムを増やして)前半10分、後半20分の『明治タイム』を使えるようにしたい。明治の土俵で戦い続けることが大事」

 対抗戦で完敗した帝京大と再戦するためには、大学選手権の決勝に進出するしかない。「日本一をかけてもう1回、帝京大と対戦したい。昨季の大学選手権決勝、そして今年の対抗戦の分も含めてリベンジしたい」と、武内は先を見据えた。

 好きな言葉は「一瞬懸命」。明治で一番熱い男が、プレーでも声でも先頭に立ってチームを引っ張り続ける。

【筆者プロフィール】斉藤健仁(さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に「ラグビー『観戦力』が高まる」「世界のサッカーエンブレム完全解読ブック」など多数。

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