「よっしゃー!」早明戦で191cmの巨漢LOが吠えた。「早稲田大にスクラムで受けているようじゃ...」 (2ページ目)
【毎日練習したスクラムの成果】
明治大FWの中核を担っているのは、身長191cm、体重110kgの巨漢LO(ロック)武内慎(4年)だ。副将PR(プロップ)大賀宗志(4年)がケガで不在のなかでも、PR中村公星(4年)とともにセットプレーをリードし続けてきた。
今季、対抗戦7試合すべてに「5番」として先発した武内は、自身2度目の早明戦に向けて「自分が引っ張っていきたい。チームを鼓舞したい」との言葉どおり、スクラム後や相手キックをチャージしたあとには「よっしゃー!」と何度も吠えて、仲間に気合いを入れ続けた。
武内は大阪府出身。阿倍野ラグビースクールで小学校2年時から競技を始め、高校は島根・石見智翠館に進学する。高校時代はLOだけでなくNo.8(ナンバーエイト)としても活躍。高校2年・3年には高校日本代表に選出され、ニュージーランド留学も経験するなど華々しい経歴を積み重ねたのち、大学は「紫紺のジャージー」を選んだ。
明治大ではLOに専念し、2年時からチームの中軸となっている。武内はキャプテン候補のひとりとして名前も挙がっていた。「一番ストイックに練習していた(石田)吉平をみんなで選びました。キャプテンは吉平に託して、支える人間になろうとやってきました」(武内)
早明戦への思いも強い。「小さい頃から『明早戦は国立でできるんだ』と思っていたので、憧れの舞台でできてうれしかった!」 と破顔した。
武内の存在によって、セットプレーの安定感は大きく増した。マイボールラインアウトの成功は「12分の11」とミスは1本だけ。十分に合格点に達する出来だった。
一方、優勝がかかった大一番で帝京大に圧倒されたスクラムも、この試合では力強かった。1週間のうち2日間だったスクラム練習を、帝京戦後の2週間は毎日のように練習したという。
「前節で(帝京大に)とことんやられてしまった。いいところを見つめ直してもう1回、明治のスクラムを作り直そうとやってきました。早稲田大にスクラムで受けているようじゃ、ここから先はない。だから仕掛けていきました!」(武内)
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