【卓球】日本人初プロ・松下浩二が見た
「女子3選手のメダル期待度」 (2ページ目)
彼女は中国人選手ともいい勝負ができるし、何が起こるかわからないのが五輪ですから、一番いい色のメダルを獲得する可能性もないとは言えません。間違いなく言えるのは、石川選手はロンドン五輪のときよりも、この4年間で確実に強くなっているということです。
10代で出場したロンドン五輪での石川選手は、表情や身体つきにも子どもっぽさが残っていました。しかし今では、身体つきが変わり、プレー自体も迫力が増し、ボールにスピード感が出てきました。
以前は、「福原選手や平野(早矢香)選手の後についていっている」という印象があったのですが、今では完全に彼女が日本のエース。その自覚を、本人も持っているのでしょう。「自分が勝たなければいけない」という意識が見受けられます。また常に、「中国に勝つためには」ということを念頭に置いて生活を送っていることが、この4年間での成長を促しているのではないでしょうか。
技術的な面で彼女の長所は、「オールラウンドで穴がないところ」です。卓球は、ドライブ型、前陣速攻型、カット型など、さまざまなスタイルが存在し、さらに現在はいろいろなタイプのラバーがあります。プレースタイルが偏ると、「この選手には勝てるけど、この選手には......」と得手・不得手が出てきてしまう。しかし、石川選手は卓球台に張りついて速くプレーすることも、台から距離を取って遅くプレーすることもできる。状況に応じてプレースタイルを変えられることは、対戦相手にとって脅威です。
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