【卓球】日本人初プロ・松下浩二が見た「女子3選手のメダル期待度」 (3ページ目)

  • 水野光博●構成 text by Mizuno Mitsuhiro  photo by AFLO

 また、サービスも彼女の大きな武器なので、相手のレシーブが甘くなると、3球目攻撃での決定率も非常に高い。3球目攻撃を返されたとしても、先手を取って有利に試合を展開することができます。今の石川選手のレベルなら、中国人選手を準決勝・決勝で倒すことも十分に起こり得ます。シングルスでは、銀メダル以上を期待したいところです。

 続いて、4大会連続出場となる福原愛選手。男子選手よりも世代の入れ替わりが早い女子選手のなか、息の長い活躍は素晴らしいことです。誰もが、「彼女が日本卓球界を背負ってきた」と思っていることでしょう。ロンドン五輪で団体・銀メダルこそ獲得していますが、リオ五輪ではぜひ、シングルスでメダルを獲得し、彼女のキャリアに華を添えてほしいところです。

 オールラウンダーの石川選手とは対照的に、福原選手は速さで勝負するタイプ。台にひっつくほど近づき、バウンドしたボールをすぐに打ち返すのが、彼女の持ち味です。特にバックハンドが速い。このスタイルは中国選手と対戦する際、ハマる可能性が非常に高い戦い方です。

 中国が世界のナンバーワンに君臨しているのは間違いありませんが、以前の中国人女子選手は台の近い位置に立ち、速い卓球を武器としていました。しかし最近では、女子選手も男子選手のように、ダイナミックなプレーをするようになっています。大きくスイングし、パワフルなボールを打つ。その球威に圧倒され、対戦相手は「強い」という印象を持ちがちですが、私は逆に、「付け入る隙ができた」と感じています。

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