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角田裕毅はレッドブル移籍の噂に苦笑い 今は「絶対に負けられない」ハンガリーGPに集中するだけ (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【ライバルのハースとは現在4点差】

 角田は言う。

「ほぼ前の状態に戻した形ですけど、いいパーツだけを残したので、全体的なパフォーマンスは開幕7戦よりも上がっていると信じたいですね。クルマの特性的にも低速域に合っているはずですし、長くて回り込むようなコーナーよりも90度くらいのコーナーが多いので、過去3戦よりは合っていると思います」

 ただし、この間にハースやアルピーヌもマシン改良を進めてパフォーマンスを向上させてきている。よって、シーズン序盤戦のような中団トップでの快走は容易ではないだろうと角田は覚悟している。

「ほかのチームも速くなってきているので、イモラの時のような(相対的に優位な)パフォーマンスがあるとは全然思っていないです。ポイントを獲るのは、かなりタフな戦いになると思います」

 しかし、中団トップとしてシーズンを折り返すためには、少しでも自分たちに有利なサーキットでハースの前を走る必要がある。ハースとは4点差。少しでもそのポイント差を広げておかなければ、ハースが強そうなベルギーGPで逆転されるおそれさえある。

 だからこそ、このハンガリーGPは絶対に負けられない戦いになるのだ。

 レッドブル昇格の噂は、たしかに角田や周囲にとっては悪くない。しかし、今の角田が見ているのは、そこではない。目の前のレースをRBとともに戦い、RBを前に押し上げること。それが自分の評価を高めることにつながるということを、トップチームにふさわしいドライバーに成熟した今の角田はよく知っている。

 夏休み前のこの2連戦が、とにかく勝負だ。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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