ホンダNSX-GTは一発の速さだけじゃない。スーパーGTオートポリスで14年ぶり頂上奪還 (3ページ目)
8号車の今シーズンを振り返ると、第2戦・富士でも第5戦・SUGOでもトップを走りながら、不運に見舞われて順位を落としてしまった。速さがありながらも決勝で結果を残せない状況に、チームを率いる鈴木亜久里監督も唇を噛み締めた。
だが、今回は違った。前半を担当した福住はアクシデントが多発した波乱のなかでもポジションを上げて2番手でバトンをつなぐと、後半担当の野尻が30周目にModulo NSX-GT(ナンバー64)を抜いてトップへ。そのまま後続との差をどんどん引き離していき、ついに待望の今季初勝利を遂げた。
レース後、亜久里監督は苦しい状況でもチームを引っ張り続けたドライバーの頑張りを讃えた。
「このふたりがメカニックやエンジニアを引っ張り、いいクルマを作ってくれた。自分たちで引き寄せないと絶対に(勝機は)こないということを言っていたので、本当に頑張ってくれたし、エンジニアもメカニックもいい仕事をしてくれた」
ホンダのエースと言えば、昨年スーパーGTとスーパーフォーミュラでダブルチャンピオンを獲得した1号車の山本尚貴という存在がいる。だが、今年は8号車の野尻智紀にも注目が集まっている。今月17日に行なわれたスーパーフォーミュラ第6戦で自身初の年間チャンピオンを獲得し、そして今回のスーパーGTでもチームを優勝に導いた。
残り2戦となった2021年のスーパーGT。スーパーフォーミュラ王者になって自信を深めた野尻の駆る8号車が"台風の目"になることは間違いなさそうだ。
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