ライダーカップで米国を勝利に導いたタイガー・ウッズの「凄味」 (2ページ目)
その点、ウッズは十分に立場をわきまえていた。ライダーカップ開幕前から、ウッズは"黒子"に徹していた。個別でメディアに対応することも一切なかった。その分、米国選抜チームの面々とは、リラックスした表情で談笑したり、選手たちが練習レンジでショットを打つ姿を後ろで見守って、アドバイスを送ったりしていた。
また、開催コースのヘイゼルティンGCについて、ウッズは熟知していた。2002年、2009年と同コースで開催された全米プロ選手権で、ウッズは優勝こそ逃したものの、ともに2位という好成績を収めている。彼のアドバイスが、米国選抜チームに与えた効果は計り知れない。メンバーのひとりである、ブラント・スネデカー(35歳)が言う。
「大会前にも、何度もタイガーから電話がかかってきた。タイガーから電話がくるなんて、そうそうあることじゃないから、なんだか不思議な感じがしたよ。でもそのときの、タイガーの熱意はすごかった」
そんなウッズから、最もアドバイスを受けていたのは、パトリック・リード(26歳)だ。練習ラウンドからずっと、マンツーマン状態が続いた。もともとリードは、ウッズにならって最終日に赤いポロシャツを着て戦うほど、ウッズを尊敬し、ウッズの後を追い続けてきた選手だ。
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