女子ゴルフツアー2025 前半戦で話題となった安田祐香、藤田さいきの「すごさ」とは
女子ツアー2025シーズン
前半戦で脚光を浴びた選手たち(2)
2025シーズンも熾烈な戦いが繰り広げられる日本女子プロゴルフツアー。数多くのトッププレーヤーがアメリカへ戦いの場を移しても、多彩なタレントが控えているうえ、才能を秘めた新星が次々に登場し、変わらぬ盛り上がりを見せている。その前半戦、とりわけ際立った活躍を見せた選手たちをピックアップ。JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の永久シード保持者である森口祐子プロに、それぞれの選手のよさについて話を聞いた――。
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2000年12月24日生まれ。兵庫県出身。身長163cm。血液型O。
今季ツアー1勝。メルセデス・ランキング12位(6月26日時点)。
安田祐香さんは、古江彩佳さん、西村優菜さん、吉田優利さんといったアマチュア時代から活躍していた2000年度生まれの同期のなかでも、一番強かった印象があります。ですから、プロになったらすぐにでも優勝するのかなと思っていましたが、首の故障などがあったりしてやや出遅れてしまった感がありましたね。
それでも昨年、2日間の短縮競技となったとはいえ、雨のなかで行なわれたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで念願のツアー初優勝を果たしました。
そして今年の4月、富士フィルム・スタジオアリス女子オープンでツアー2勝目を飾りました。同トーナメントもまた、最終日は雨に見舞われましたが、3日間の全日程を消化。9アンダーで並んだ安田さん、河本結さん、中村心さんの3人によるプレーオフでの決着でした。
プレーオフは1ホール目で中村さんが脱落し、最後は河本さんとの一騎打ちとなりました。その4ホール目、安田さんはティーショットで左サイドのバンカーに入れてしまいましたが、2打目をユーティリティで打ってピンハイ約2mにピタリ。勝負強さを見せました。
このときのバンカーショットに見るように、彼女はフェースコントロールが正確。ボールの捉え方が上手いので、ボールの飛び方が常に一定です。それゆえ、バンカーからのユーティリティのショットでもピンそばに寄せることができるのです。
安田さんのスイングは、トップスイングで少し間があって、そこからストンッとクラブを下ろしてくる――この一定したリズム感が特徴です。
一見、力感がないように見えますが、だからこそ、横にも縦にも余分なスピンが入りません。よって、ボールが一定した飛び方をするショットを打てるわけです。
彼女が常日頃から取り組んでいるのが、「ジャイロスイング」というもの。低いティーアップでのハーフショットを、スタンスを狭くして上半身の回転で打つドリルです。この打ち方で軽いドローボールが出ていることが、自らのスイングができているかどうかの目安になるそうです。
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