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女子ゴルフツアー2025 前半戦で話題となった安田祐香、藤田さいきの「すごさ」とは (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

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1985年11月22日生まれ。静岡県出身。身長168cm。血液型A。
今季ツアー0勝。メルセデス・ランキング14位。

 藤田さいきさんは、先日のニチレイレディスでツアー通算600試合出場を達成。これは、2005年のツアーデビューから20年にもわたって活躍してきたということですから、本当にすばらしいことです。

 彼女が20年もの間、第一線でやってこられた要因ですが、まずは身長168㎝と頑健で恵まれた体躯にあると思います。

 もうひとつは、私が20年前の藤田さんのスイングを見て感じた、柔らかい腕使いとリストワークにあると見ています。

 私が見て感じたのは、藤田さんのデビュー当時のこと。彼女は、腕を脱力して(切り返しから)シャフトをしならせながらクラブを下ろしてきて、インパクトでリストワークをうまく使ってヘッドを走らせていました。そのスイングを見て、ある種、「天才的な飛ばし方ができる選手だな」という印象を持ちました。

 ベテラン選手がツアーで通用しなくなる要因のひとつは、飛距離不足です。藤田さんはデビュー当初からドライバーショットは飛んでいましたけど、今も当時と比べて、さほど飛距離は落ちていません。その理由こそ、私が見て感じた、脱力感のあるスイングがいまだにできているからです。

 どんなアスリートでも、年齢とともに柔軟性と体力が損なわれていくことを考えると、ああいう柔らかい動きが(40歳を目前にした)今でもできるというのは、持って生まれた資質なのだろうなと思います。

 興味深いのは、(ドライバーショットで)あれだけ手首を力感なく、柔らかく使えるのだから、アプローチでも手首を使った打ち方をするのかと思いきや、そういった小技では手首を過度に使うことをしないで、安定感のある打ち方をすること。

 そういう意味では、彼女は賢くゴルフをやっているな、という気がします。そして今、充実したゴルフ、プレーができているのだろうなと思います。

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