プレミアリーグ20チームで計6000億円超! 夏の移籍市場を盛り上げたビッグクラブの勝ち組・負け組はこれだ
プレミアリーグ序盤の焦点(前編)
「ビッグクラブ最新戦力分析」
世界的な不景気だというのに、あるところにはあるものだ。
この夏、プレミアリーグの20クラブは移籍市場に計30億8700万ポンドもの巨額を投入した。日本円にして、およそ6174億円......! 2023年夏の23億6000万ポンド(約4720億円)を大きく上回る、プレミアリーグ過去最多額である。
チャンピオンシップから昇格してきたサンダーランドですら、14人の新戦力に1億5300万ポンド(約306億円)を使った。この金額はヨーロッパ5大リーグでもトップ10に入り、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アンの全クラブを見下ろしている。
イサクはリバプールで250億円の価値を示す必要がある photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 市場の主役はリバプールだ。FWアレクサンデル・イサク(ニューカッスル→)にリーグ史上最高額となる1億2500万ポンド(約250億円)を、MFフロリアン・ビルツ(レバークーゼン→)には史上2位の1億1600万ポンド(約232億円)を惜しげもなく注ぎ込んだ。
DFミロシュ・ケルケズ(ボーンマス→)、DFジェレミー・フリンポン(レバークーゼン→)、FWウーゴ・エキティケ(フランクフルト→)も合わせると、リーグ新記録となる総額4億4600万ポンド(約892億円)。堅実経営で知られてきた『フェンウェイ・スポーツ・グループ』(リバプールのオーナー企業/以下FSG)にしては珍しい大暴れである。
「いくらなんでも使いすぎだ」(ジェイミー・キャラガー)
「プレミアリーグのタイトルを守り、チャンピオンズリーグを奪い返すためには必要な投資である」(イアン・ラッシュ)
OBの間でも意見は分かれている。ただ、補強ポイントと言われていた両サイドバック、攻撃的MF、前線のタレントを補強できたのだから、間違いなく「市場の勝者」と断言できる。
収支のバランスは、リーグワースト2となる2億1840万ポンド(約437億円)のマイナスになった。だが、MLBのボストン・レッドソックスやNASCARのラウシュ・フェンウェイ・レーシングなどのチームを所有し、スポーツビジネスをよく知るFSGがプレミアリーグの定めた「PSR(収益性と持続可能性のルール)」に触れるほどの愚を犯すとは考えづらい。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。






















