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プレミアリーグ20チームで計6000億円超! 夏の移籍市場を盛り上げたビッグクラブの勝ち組・負け組はこれだ (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【交渉で後手に回ったマンU】

 移籍市場の開幕と同時に接触してさえいれば、今夏に獲得できるチャンスは十分にあったと考えられる。来年の夏、早ければ2026年1月の市場で交渉再開との噂はあるものの、ユナイテッドの強化担当は腰が重すぎる。サー・アレックス・ファーガソンが全権を握っていた当時は、獲得も整理も電光石火の早業だったのだが......。

 ただ、獲得した新戦力は期待できる。クーニャとムベウモは序盤3試合ですでに存在感を示し、FWベンヤミン・シェシュコ(RBライプツィヒ→)も途中出場ながら高い運動能力を感じさせた。至近距離からのシュートストップに定評があるラメンスも、早々に頭角を表すだろう。

 FWアントニー(→ベティス)とFWガルナチョ(→チェルシー)から売却益が発生し、ローン移籍のFWジェイドン・サンチョは年収の80%をアストン・ヴィラが、FWマーカス・ラッシュフォードはバルセロナが全額負担する。リーグワースト3のマイナス1億7070万ポンド(約341億円)を計上した収支バランスも、許容範囲との指摘さえある。

 大金の動いた夏の移籍市場が閉幕し、ビッグクラブの戦力は固まった。あとは新戦力がどれだけチームに浸透し、結果を残すことができるか。シーズンが進むにつれて、市場の勝ち組が負け組に、その逆もまたしかり、だ。

◆プレミアリーグ序盤の焦点・後編>>「三笘薫のブライトン残留は正解の兆し」

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

【図】2025-26「最新」欧州サッカー注目クラブ主要フォーメーション

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