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プレミアリーグ20チームで計6000億円超! 夏の移籍市場を盛り上げたビッグクラブの勝ち組・負け組はこれだ (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【笑いが止まらないチェルシー】

 アーセナルも夏市場の勝者のひとつだ。複数のタイトルを狙えるだけの既存戦力に、ワールドクラスの守備的MFマルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ→)、待望の9番タイプであるヴィクトル・ギェケレシュ(スポルティングCP→)を加えた陣容は隙がない。

 MFオレクサンドル・ジンチェンコ(→ノッティンガム・フォレスト)、MFファビオ・ヴィエイラ(→ハンブルガーSV)、FWリース・ネルソン(→ブレントフォード)など、構想外となった選手が売れなかったため(ローン移籍)、収支のバランスはリーグ最多2億5700万ポンド(約514億円)の赤字を献上した。

 しかし、スカッドは申し分ない。あえて繰り返そう、今季のアーセナルは質量ともに複数のタイトルを狙える体制が整った。

 さて、戦力増強と収支のバランスを双方見るなら、チェルシーは笑いが止まらないだろう。FWジョアン・ペドロ(ブライトン→)、FWジェイミー・バイノー=ギッテンス(ドルトムント→)、FWアレハンドロ・ガルナチョ(マンチェスター・ユナイテッド→)といった2000年代生まれの若者を軸に、補強費は2億8500万ポンド(約570億円)に達している。

 その一方で、エンツォ・マレスカ監督の構想から外れたり、年齢的に上積みが期待できない選手を放出したことで、収支は1790万ポンド(約36億円)の黒字になった。

 DFリーヴァイ・コルウィルは来年4月まで、FWリアム・デラップは今年の11月初旬まで負傷のために戦列を離れる。MFコール・パーマーは内転筋の痛みが慢性化しないか心配だ。本来は休息する時期に開催されたクラブワールドカップで優勝したため、シーズンが深まるにつれて負傷者が続出するリスクはどのクラブよりも高い。

 とはいえ、夏の市場に関しては「してやったり」だろう。7月に財務規則違反が発覚し、UEFAに市場を黒字で終えることを義務づけられていたことが奏功した、とも言われている。チェルシーは軽やかに夏を駆け抜けていった。

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