久保建英とダビド・シルバのコンビがまたしても発動 相手を崩した連係はボールが来る前から始まっていた (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
久保建英が中へ入ったことで、相手DFがダビド・シルバのチェックに出られなかった

 ダビド・シルバのDFとMFとのライン間でのポジショニングが巧みだったことはもちろんだが、このシーンでは久保建英のポジショニングにも注目したい。

久保が中央へ入って相手DFラインをけん制。ダビド・シルバはフリーのままプレーできた久保が中央へ入って相手DFラインをけん制。ダビド・シルバはフリーのままプレーできたこの記事に関連する写真を見る エルチェは3-5-2のシステムで、撤退守備の時には5-3-2の形を取る。対してソシエダは4-3-1-2で、トップ下に入るダビド・シルバはライン間で浮きやすい噛み合わせとなっていた。

 エルチェは中盤の1人が下りてスペースを埋めるか、あるいはセンターバック(CB)が前へ出て対応していたが、このシーンではそのどちらもできなかった。

 ブライス・メンデスがボールを受けた時、マスカレルはダビド・シルバのマークについていたが、ブライス・メンデスはフリーだったため、マークを離して前に出る必要があった。それでもダビド・シルバに対しては、CBが出て対応できるはずだった。

 しかし、ダビド・シルバはライン間で浮き続けた。その状況を作ったのが久保である。2トップの一角に入った久保は、左右に流れて起点を作る動きを繰り返し、このシーンでも左サイドに張ってエルチェのテテ・モレンテを引きつけていた。

 ブライス・メンデスからアシエル・イジャラメンディにボールが渡る時、右CBのエリベルトン・パラシオスが前に出ようとするが、そのタイミングで久保が中にポジションを取り、裏が怖いパラシオスは出られなくなった。

 そしてソシエダは左サイドバックのアイヘン・ムニョスが高い位置を取ることで、モレンテも動けず、エルチェはダビド・シルバに対応できる選手は誰もいなかった。

 こうしてダビド・シルバはフリーでボールを受けることができ、前を向いた瞬間に久保が裏へ走り出すと絶妙なスルーパス。久保が冷静にファーサイドへ流し込んで先制点となった。

 ボールを受ける前から、ダビド・シルバと久保の見事な連係が光ったゴールだった。

◆【動画】ラ・リーガ第26節 レアル・ソシエダvsエルチェ ハイライト
(ソシエダの先制シーンは、4分33秒~5分38秒)

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る