久保建英の今季のプレーをスペイン人記者が評価「ただ1人賞賛され続けてきた」一方で「重要度が低いことが明らかになった」
今季レアル・ソシエダで、シーズン開幕からレギュラーとしてすばらしい活躍を見せている久保建英。弱冠21歳 にして、すでにリーガ・エスパニョーラ100試合出場を達成している。地元紙で番記者を務めるイケル・カスターニョ・カベージョ氏に、久保の今季ここまでを振り返ってもらい、そのパフォーマンスを評価してもらった。
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【"タケクボ"はサポーターに大人気】
久保建英は、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場を狙うレアル・ソシエダのなかで、今季最も違いを生み出し続けている選手の1人だ。
ギプスコア(クラブのある県)のサポーターたちから親しみを込めて "タケクボ" と呼ばれる彼は、レアル・ソシエダで復活を遂げ、今やその存在は皆から認められるものになっている。
久保建英はレアル・ソシエダのサポーターに愛され、今季活躍を続けている photo by Nakashima Daisukeこの記事に関連する写真を見る 3月19日に行なわれたリーガのエルチェ戦を見てもわかるように、再び攻撃で違いを生み出した選手となっていた。得点を挙げる前に見せた裏へのすばらしい抜け出しから3度シュートを放ち、その後、ファーポストに見事な得点を決めてみせた。
翌日の地元紙は一様に、CL出場圏内を維持した勝利の一翼を担った彼の活躍で一面が埋め尽くされた。今季すでに1シーズンの自己最多となる5得点(※得点した試合はすべて勝利)を挙げ、7アシストを記録している。さらに献身的な守備やボールをキープしようとする意欲的な姿勢も特筆に値する。
昨夏、600万ユーロ(約8億7000万円)でラ・レアル(※レアル・ソシエダの愛称)が久保と結んだ契約は、過去にマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェといったチームに所属し、すべてがうまくいったとは言えないものの高いクオリティを発揮したことから、大きな期待が寄せられた。
それ以降の8カ月は、カディスとのリーガ開幕戦でゴールを決めて幸先のいいスタートを切った久保にとって、ラ・レアルが最高の場所であると示すのに十分な期間であった。
チームメイトがインタビューを受けるたびに久保を高く評価し、ピッチ上でも良好な関係が見受けられ、サポーターとの間にはそれ以上のことが起こっている。ここ数週間チームはうまくいっていないが、彼は批判を全く浴びることなく、ただ1人賞賛され続けてきた。
1月のバスクダービー(ビルバオ戦)で得点を挙げてレアレ・アレーナの観衆を沸かせ、2週間前のイベントはチュリ・ウルディン(※バスク語で青と白の意味/レアル・ソシエダの愛称のひとつ)のサポーターが長蛇の列を作るほどの盛況ぶりで、3時間にも渡ってサインに応じていた。また先月、ホームでバジャドリードに敗れた時も相手にとって最も脅威となったのは彼だった。
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