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ユーロ準々決勝、最大の注目。イタリアの左サイドをベルギーは止められるか (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 いずれにしても、"タラレバ"の話だ。開幕後から故障者が続出し、スタメンを組むことさえままならなかったチーム事情を考えれば、遅かれ早かれフランスは今大会から姿を消すことになっていただろう。

 また、チェコの"オールコート・マンツーマン"に苦しめられたオランダは、後半52分のマタイス・デ・リフトの退場劇が潮目となって、その後の2失点で完敗。強豪ベルギーに敗れた前回王者ポルトガルは、シュート24本(枠内5本)を放ち、6本(枠内1本)のベルギーを大きく上回りながら、前半の1失点に泣くことになった。

 そして、同じ布陣を採用してきたイングランドとがっぷり四つの戦いを繰り広げたドイツは、決定力を欠いて力負け。フランスと同様、今大会で目立った守備の不安定さを修正できなかったことが敗因のひとつとなった。

 終わってみれば、最激戦区グループFを勝ち抜いた3チームは、揃ってラウンド16で敗退。まさに、"死のグループ"だったわけだ。

 注目は、これから始まる準々決勝である。とりわけFIFAランキング1位のベルギーと今大会絶好調のイタリアの対戦が、最大の注目カードだ。

 3戦全勝でグループステージ首位通過を果たしたイタリアは、3戦目のウェールズ戦で"勝利の方程式"とされるローテーションを採用。ラウンド16のオーストリア戦は延長戦の末の勝利となったが、ここまで多くの選手を起用しているだけにコンディション的にはほぼ万全の状態でベルギーに挑むことができる。スイス戦で負傷交代をしたCBジョルジョ・キエッリーニも、この試合で復帰できる見込みだ。

 対するベルギーは、ラウンド16のポルトガル戦で大黒柱のケヴィン・デ・ブライネとキャプテンのエデン・アザールが負傷交代を強いられ、イタリア戦に間に合うかどうかが微妙な状況だ。とりわけ大会2戦目に開幕前のケガから復帰したばかりのデ・ブライネは、決定的な仕事ができる世界屈指の重要戦力。間に合わないとしたら、大きな不安を抱えたままイタリアを迎え撃つことになる。

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