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ユーロ準々決勝、最大の注目。イタリアの左サイドをベルギーは止められるか (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 おそらく、試合は3−4−2−1のベルギーに対して、可変式4−3−3のイタリアが敵陣でボールを保持する展開になるだろう。ベルギーは5バックで守ることを受け入れながら自慢の高速カウンターに勝機を見出す、という構図が戦前の予想になる。

 最大のポイントは、イタリアの左サイド攻撃をベルギー守備陣が耐えられるかどうかだ。

 イタリアは左SBのレオナルド・スピナッツォーラが高い位置をとり、左インサイドハーフのマルコ・ヴェッラッティ、左ウイングのロレンツォ・インシーニェとのパス交換から高精度のクロスを供給するのが得意なパターン。逆に、そこで奪われてカウンターを仕掛けられることを警戒しておけば、現在の戦力状況で言えばイタリア優位は動かないだろう。

 そのほかの3カードでは、優勝候補イングランドとスペインの動向に注目が集まる。

 ここまで無失点を続けるイングランドは、ラウンド16最大のビッグマッチとなったドイツ戦を2−0で破ったことで自信と勢いをつけた。何より、2018年W杯を制した時のフランス以上の"手堅さ"と"効率性"が最大の強みとなっている。

 たしかに攻撃が機能しているとは言えないが、ここまで3得点のラヒーム・スターリングに加え、エースのハリー・ケインもドイツ戦のゴールで気を良くしていることを考えると、頂点を目指すための条件が整ったと見ていい。準々決勝で対戦するウクライナは、8強入りしたこと自体が歴史的快挙。両チームの力関係からして、イングランドが足もとをすくわれる可能性は低いだろう。

 フランスを撃破したスイスと対戦するスペインは、ラウンド16でクロアチアとの延長戦を制してのベスト8入り。初戦と2戦目で露呈したゴール欠乏症問題も、スロバキア戦、クロアチア戦と連続5ゴールを量産して解決された格好だ。当初は批判を浴びていたスタメン編成も、右SBにセサル・アスピリクエタ、左にガヤ、そしてパブロ・サラビアを前線で起用するようになり、ようやく落ち着いた感がある。

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