スペイン代表とドイツ代表がうまくいっていない要因を探ってみた (2ページ目)

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中山 個人的には、ドイツという国、あるいはドイツサッカー協会のこれまでの歴史を考えると、ここでレーヴをクビにせず、「まだ大丈夫」「サッカーの中身を変えればいい」という方針を固めたことは正しいというか、ドイツらしいと思いました。決してレーヴのサッカーがもう終わりだという感じはしませんし、そもそもレーヴ自身がやっていることは年々変わってきていますしね。

 そう考えると、ドイツサッカー協会のサポートの下、レーヴ自身がサッカーをブラッシュアップすることで問題はないと思いますし、とにかく今大会で世代交代をしなければいけないことがはっきりしたので、そこさえクリアすればまた強いドイツが絶対に戻ってくると思います。

倉敷 グループステージを突破できなかったドイツ。大失敗のワールドカップを小澤さんはどう見ていますか?

小澤 それは誰も予想していませんでしたね。僕自身も、初戦でメキシコに負けても持ち直すと見ていましたから、本当にサプライズでした。レーヴ監督のマネジメントの部分の失敗、チーム作りの持って行き方に失敗があったと思います。たとえばGKマヌエル・ノイアーを最後の最後まで引っ張って、ギリギリのところで彼に信頼を託すという意味ではよかったと思いますが、昨シーズンあれだけバルセロナでよかったテア・シュテーゲンが控えていたことを考えると、彼が納得しているはずもないですよね。その辺はチームの骨格を早めに決めて、主力選手を決めてからチームづくりをしたところが、今大会では裏目に出た部分があったのではないでしょうか。

 それと、メスト・エジルの代表引退騒動もあるように、やはり複雑な社会問題、社会背景がある国ですから、その辺はもう少しセンシティブに考えておくべきだったと思います。振り返ってみると、彼らにうまく行動を促すような協会のサポートやレーヴ監督のサジェスチョンがあったらよかったのかな、と思いますね。

倉敷 十分な戦力はありました。しかも、コンフェデレーションズカップでは若手を起用して優勝を遂げ、ドイツは盤石、万全であると思っていたなかでの失敗は、小澤さんがおっしゃったように、結局は慢心、油断という言葉になるかもしれませんが、監督のマネジメントにあったということでしょうね。

 データマンの小林君、ドイツ国内の報道はどんな感じでしたか?

小林 厳しいですね。中山さんと小澤さんがおっしゃったように、親善試合の段階からよくなかったという記事もありました。大会が終わった後、マッツ・フンメルスも「以前からよくなかった」と話しています。個人的にも、小澤さんがおっしゃっていた問題も含めて、危機感に欠けていたと感じますね。

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