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【Jリーグ連載】東京ヴェルディのアカデミーにおいて、プロになれるか否かの基準はどんな瞬間に見えてくるのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

東京ヴェルディ・アカデミーの実態
~プロで戦える選手が育つわけ(連載◆第48回)

Jリーグ発足以前から、プロで活躍する選手たちを次々に輩出してきた東京ヴェルディの育成組織。同連載では、その育成の秘密に迫っていく――。

東京ヴェルディのアカデミーからは、今後も個性的かつ多彩なタレントが生まれてくるに違いない photo by Miki Sano東京ヴェルディのアカデミーからは、今後も個性的かつ多彩なタレントが生まれてくるに違いない photo by Miki Sanoこの記事に関連する写真を見る

第47回◆東京Vアカデミーの育成の本質「僕らは"普通に"サッカーをやらせてもらっていた」>>

 長年、東京ヴェルディのアカデミーで指導者を務めた冨樫剛一(現横浜F・マリノスユース監督)は、その間に多くの選手がプロへと成長していく過程を目にしてきた。

 当然、そこでは、プロになれるか否かの基準も見えてくる。

 たとえば2006年、冨樫がジュニアユースチームの監督に就いた時のことだ。

 アカデミーの同期でもある中村忠(現東京ヴェルディ・アカデミーヘッドオブコーチング)ら、コーチ陣とともにトレーニングメニューを決め、練習を開始。ひとつ目のメニューが終わり、次のメニューへと移ろうとした時だった。

「トガさん、次、どんな練習するの?」

 水分補給もそこそこに、そんなことを聞いてきたのは、中学2年生の小林祐希(現タンピネス・ローバーズ/シンガポール)である。

「さっきの練習、こういうイメージだったでしょ? じゃあ、次はこんなことしてもいいの?」

 小林は、まるで冨樫が用意していた練習メニューを先読みするかのように、質問をぶつけてきた。

「それはテーマとして考えていたことではあったんですけど、選手たちから言ってくるとは思わなかったんですよね」

 少々大げさに表現すれば、監督である自分のイメージを選手に超えられてしまう危機感を覚えた、と言ってもいいかもしれない。

 また、冨樫が「今でもよく覚えている」と語る"事件"が起きたのは、別の練習でのこと。それは、"ボックス内では2タッチ以内"という制限をつけてのゲーム中だった。

 攻撃側の高木善朗(現パトゥム・ユナイテッドFC/タイ)がボックス内でボールを受けると、守備側の高野光司がシュートコースを消しにかかった。ルールは2タッチ以内。手詰まりになった高木は当然、パスをするしかない。

 ところが、高木はルールを無視して、躊躇なく高野をかわすと、力強くシュートを打ち込んだ。

「おいおい、2タッチだろ!」

 周りの選手がそんな抗議の声を上げるなか、キレたのは高木のほうだった。

「普通のゲームだったら、かわしてシュート打つだろ!」

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