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【Jリーグ連載】東京ヴェルディ・アカデミーの育成の本質 「僕らは"普通に"サッカーをやらせてもらっていた」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

東京ヴェルディ・アカデミーの実態
~プロで戦える選手が育つわけ(連載◆第47回)

Jリーグ発足以前から、プロで活躍する選手たちを次々に輩出してきた東京ヴェルディの育成組織。同連載では、その育成の秘密に迫っていく――。

読売クラブ時代から東京ヴェルディ・アカデミーの育成の本質は変わっていない photo by Miki Sano 読売クラブ時代から東京ヴェルディ・アカデミーの育成の本質は変わっていない photo by Miki Sano この記事に関連する写真を見る 東京ヴェルディのアカデミーには、伝統的に技術重視のイメージがある。菊原志郎(現FC今治U-12監督)をはじめ、天才少年と称されるような優れたテクニシャンを多く輩出してきたことも、その印象を強めているのだろう。

 実際、菊原自身も「やっぱり(カテゴリーが)上に行けば行くほど約束事が多少出てきたり、急ぐ必要はないけど、だんだんとチームの戦い方を覚えていったりするようになる」としたうえで、こう続ける。

「ただ、読売クラブはどちらかというと、チームでこうやるよっていうよりは、一人ひとりがポジションごとの能力を高めることによって、自然とチームになっていくという考え方だったんじゃないかなと思います。

(最近は)子どもの頃からの勝利至上主義によって、魅力的な選手が出てきにくくなっているって話も聞きますけど、やっぱり勝とう、勝とうとすると、エラーをできるだけ減らそうとして、どうしてもチャレンジがしにくくなりますから」

 だが、時代の流れとともに、読売にも少なからず変革が求められた時期があったという。

「自分が指導者として(ヴェルディのアカデミーに)戻ってきて、小見(幸隆)さんとかと話をした時に聞いたことなんですけど」

 現在、横浜F・マリノスでユースチーム監督を務める冨樫剛一はそう切り出し、読売の変革期を振り返る。

「僕らのちょっと上くらいの世代から、読売がクラブチームのなかだけでなく、(高校のチームも含めた)日本全体のなかでいいチームというか、強いチームとして認識されるためにはどうするのかを、クラブとして考えていたらしくて......」

 つまりは、読売クラブがもっと広く世の中に認知されるようになるためには、いい選手を育てるだけでなく、目に見える成績を残す必要があるのではないか、ということだ。事実、当時のクラブチームは高校サッカーよりも弱いというのが、一般的な評価だった。

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