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【Jリーグ】アマラオに見た日本人のような忠誠心 チーム・サポーターを愛し、愛された「キング・オブ・トーキョー」

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Kei Totsuka

Jリーグ懐かしの助っ人外国人選手たち
【第37回】アマラオ
(FC東京、湘南ベルマーレ)

 Jリーグ30数年の歩みは、「助っ人外国人」の歴史でもある。ある者はプロフェッショナリズムの伝道者として、ある者はタイトル獲得のキーマンとして、またある者は観衆を魅了するアーティストとして、Jリーグの競技力向上とサッカー文化の浸透に寄与した。Jリーグの歴史に刻印された外国人選手を、1993年の開幕当時から取材を続けている戸塚啓氏が紹介する。

 第37回はアマラオを取り上げる。Jリーグ開幕前夜の1992年に来日し、FC東京の前身である東京ガスを含めて、実に12シーズンもの長きにわたってクラブのためにゴールを取り続けた。クラブをJ2からJ1へ押し上げ、J1に定着させたこのブラジル人ストライカーは、FC東京の歴史の大切な一部である。

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アマラオ/1966年10月16日生まれ、ブラジル・ピラシカーバ出身 photo by AFLOアマラオ/1966年10月16日生まれ、ブラジル・ピラシカーバ出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る ヨーロッパや南米には、選手の名前を冠したスタジアムがある。

 オーストリアで20世紀のビッグマッチの舞台となってきたプラター・スタジアムは、同国の名将エルンスト・ハッペルを称える。アムステルダム・アレナとして開場したアヤックスのホームスタジアムは、ヨハン・クライフ・アレナと呼ばれる。

 アルゼンチンではワールドカップ優勝をもたらしたふたりのスーパースター、ディエゴ・マラドーナとマリオ・ケンペスの名前が使われている。どちらも彼らが在籍したクラブのホームスタジアムで、ケンペスの出身地コルドバにあるエスタディオ・マリオ・アルベルト・ケンペスは、スタンドにも選手名をつけている。そのひとりは、Jリーグで4度監督(清水エルパルス、横浜F・マリノス、東京ヴェルディ、町田ゼルビア)を務めたオズワルド・アルディレスだ。

 クラブにその身を捧げてくれた選手の功績を、スタジアム名として称える。長い歴史が育んできた素敵な文化だ。

 FC東京のホームゲームへ行くと、だから僕は心地よくなる。『KING AMARAL STADIUM』の横断幕を目にすることができるからだ。ヨーロッパや南米のカルチャーが、そこに息づいている。

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著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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