【Jリーグ】鹿島アントラーズ「最激戦区」ボランチで存在感 三竿健斗が29歳でアップデートしている理由
鹿島アントラーズ
三竿健斗インタビュー(前編)
プレーに成長を感じ、話を聞きたい衝動に駆られた。そのアップデートこそが、今シーズンを戦う鹿島アントラーズの強さにも通じている予感を抱いたからだ。
三竿健斗に変化の予兆を見たのは、まだシーズン序盤。J1リーグ第13節の横浜FC戦だった。
鬼木監督と出会って進化した三竿健斗 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る その試合で今季初先発を飾った彼は、77分にダメ押しとなる3点目に絡む。
相手のFKをクリアしたこぼれ球を自陣ペナルティエリア前で拾った背番号6は、自らドリブルで持ち上がっていく。右サイドを駆け上がる松村優太に展開してなお、彼は立ち止まらなかった。
松村が右サイドを突破する動きに合わせて、ペナルティエリア内に走り込むと、パスを受けたターレス ブレーネルの落としをシュートした。GKが弾くも、こぼれ球にいち早く反応すると、相手DFのオウンゴールを誘発した。
ボランチながら、バランス感覚に優れ、守備に特長のある選手である。自陣でセカンドボールを拾うだけならいざ知らず、ドリブルで駆け上がり、相手ゴール前にも顔を出した。いわゆるボックス・トゥ・ボックスの動きに、変化を感じずにはいられなかった。
「シーズン開幕時はケガもあって、練習に復帰してからも、自分が思っているよりもコンディションが上がっていかないなかで、つかんだ先発出場のチャンスでした。
今季はチーム内でのボランチのポジション争いが激しく、この試合で結果を残さなければ、選手選考のファーストチョイスはおろか、セカンドチョイスにも選ばれないなと思っていたので、個人的にも気合いが入っていました」
横浜FC戦は3-0で勝利しただけでなく、自身のプレーにも手応えを実感した。
「自分の特長である守備で相手にガツンと行って、ボールを奪うプレーも出せた自覚がありました。何より3点目のシーンは、おそらく今までの自分だったら、相手の前に身体を入れてドリブルで持ち運ぶようなプレーを選択していなかったと思います」
今季の鹿島において、最激戦区ともいえるボランチで、出場機会を得るために自分自身を見つめ直した成果だった。
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著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。





