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【Jリーグ】鹿島アントラーズ「最激戦区」ボランチで存在感 三竿健斗が29歳でアップデートしている理由 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【うまくなりたい欲を刺激】

「途中出場が多く、出場時間が短い時に、自分に何が必要かを考えたんです。その時、最初の5m、10mの速さだなと思って。それを活かすトレーニングをしました。まさに、相手の前に入った瞬間の足の動きは、練習してきた賜物(たまもの)でした」

 初動から加速するために、足首周りの強化を図った。

「自分が一番よかった時って、2回、3回と連続でボールを追うことができたり、ギュギュッと動ける時だったりしたなって思ったんです。その動きを再び取り戻すためには、初速の速さや、切り返しの動作、ステップワークだと考えました。実際、自分のそうした能力が落ちているという実感もあったので、そこに目を向ければ、自ずとコンディションも上がっていくだろう、と」

 強化したのは、足首周りだけではない。181cmという身長以上にピッチ内で大きく見える存在感にも理由はある。

「プレー中の姿勢についても見直しました。何を意識した時が、もっとも身体が動くのか。そう考えた時、頭の位置がブレない時が一番、スムーズに動けていることを思い出して。その頭がぶれないようにするために、どこを鍛えたらいいかを考え、背中を鍛えたんです」

 まるでプレーを逆算するかのように、身体の動きを分析し、必要な強化を図った。

 それは鬼木達監督のもとで、あらためて向き合っている技術も、である。三竿は「練習初日から今も、うまくなりたいという欲を刺激されまくっています」と、その幸運を語る。

「シンプルに技術を向上させなければならない、という気持ちをかき立てられています。いわゆる、ボールを止めて蹴る。そこを正確にできれば、相手がプレッシャーをかけてきても、全然、怖くないというか。今では、逆にプレッシャーをかけにきてくれて『ありがとう』という気持ちくらいに感じる。

 練習初日から全体練習後に、オニさん(鬼木監督)が川崎フロンターレでもよくやっていたパス&コントロールの自主練をやっているんですけど、この8カ月間でもホントにうまくなっていることを感じていて。それをピッチのなかで、自信という形で、さらに実感しています」

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