ガンバ・倉田秋36歳が現役にこだわるワケ 「暗黒時代の3年間」を脱するために決断したことは?
ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第6回:倉田秋(ガンバ大阪)/前編
この記事に関連する写真を見る その体からメラメラと音が聞こえてきそうなほどの熱をたぎらせてピッチに立つ。今年で37歳になる。年齢を重ねてもなお――というよりは、年齢を重ねるほど、胸の内がダイレクトにプレーで表現されるようになった。
「(現役の)終わりが近づいているのを自覚しているからかな。この試合で結果を残せなかったらキャリアが終わる、とか。起用に応えられなかったら次はない、とか。監督のラージリストから一度でも漏れたら、『二度と公式戦のピッチに立てないんじゃないか』って危機感がエグいくらいあって、それが自分を走らせているのかも。
といっても、プレーが始まったらそんなことはいっさい忘れていますけど。とにかく勝ちたい、ゴールを取りたい、ホンマにそれだけ。だって、あのゴールを決めた瞬間の高揚感とか、アドレナリンの爆発は、プロサッカー選手にしか味わえないものやから。それを少しでも長く、多く、味わい続けるには絶対に結果がいる。そのことは毎日、毎分、毎秒、自分に突きつけています」
見事なまでに鍛え抜かれた肉体もその危機感の表われ。体も心も、最高潮。そんな状態を保ち続けることができているから、倉田秋は今もガンバ大阪の『10番』を背負っている。
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「このままだとサッカー選手ではいられなくなる」
本気でそう思ったのは、2007年にガンバユースからトップチームに昇格して2年がすぎた頃だったという。アカデミー時代からコンスタントに世代別の日本代表に選出されるなど、圧倒的な技術と才能を評価されて飛び込んだプロの世界だったが、「鼻をへし折られるような感覚」が続いていた。
「正直、練習では思うようにプレーできることも多かったんです。当時はボランチでしたけど、同じポジションのヤットさん(遠藤保仁)、ミョウさん(明神智和)、ハシさん(橋本英郎)らのなかに入っても......僕自身は『通用せえへん』と感じたこともなかったし、むしろ『やれる』とすら思っていました。
でも、いざ試合に出て、練習でやれていたプレーができたのかといえば、まったくでした。それに対して、ヤットさんたちは(試合で)練習以上のプレーをしていた。その時に初めて、自分がプロのレベルに遠く及んでいないと思い知らされました」
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