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サッカー天皇杯決勝 57回目の観戦となったベテランジャーナリストが綴る長い歴史 (4ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【ジャイアントキリングが現在の醍醐味に】

 もちろん、1970年以降の天皇杯でJSL勢以外が決勝に進出したことはなかった。1980年代には日産自動車(横浜F・マリノスの前身)と読売サッカークラブ(東京ヴェルディの前身)がタイトルを独占する時代もあった。そして、1993年のJリーグ発足後は、やはりJリーグ勢以外で決勝に進んだチームはひとつもない。

 だが、それでも大学勢や地域リーグのチームなどがJリーグ勢を倒す「ジャイアントキリング」は毎年のように話題を提供。それが天皇杯の醍醐味となっている。

 また、JSL時代には決勝で同2部の日本鋼管やヤマハ発動機(ジュビロ磐田の前身)が優勝したこともあるし、2022年度の第102回大会でJ2のヴァンフォーレ甲府が優勝を飾ってACL出場権を手にしたことは、まだ記憶に新しい。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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