広島・川辺駿が語る日本代表の同年代〜守田英正、南野拓実、鎌田大地と比較して「自分にしかない特長はある」
サンフレッチェ広島MF
川辺駿インタビュー(後編)
◆川辺駿・前編>>海外で学んだワンタッチでボールをさばく技術
3シーズンにわたってスイスとベルギーでプレーした川辺駿は、今夏より古巣のサンフレッチェ広島に帰還し、中盤に欠かせぬピースとして存在感を示している。
愛するクラブを優勝に導くため、川辺は海外で得た経験をチームに還元する。その先にあるのは、1年ほど遠ざかっている日本代表への復帰。同世代が活躍する森保ジャパンを、川辺はどんな思いで見ているのか。
今季かぎりでの引退を表明した広島のレジェンド、青山敏弘への思いも訊いた。
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川辺駿がスイスとベルギーで得たものとは? photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る── 広島からオファーがあったのは、意外でしたか、それとも想定内でした?
「自分の置かれた状況を知ってくれていましたし、広島も夏にボランチの野津田岳人選手(パトゥム・ユナイテッド/タイ)と川村拓夢選手(レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)が移籍し、さらにポジションは違いますけど大橋祐紀選手(ブラックバーン・ローバーズ/イングランド)も抜けることになったので、補強が必要な状況でした。広島のタイミングと自分のタイミングが合ったというのも、今回の移籍のポイントだったと思います」
── 国内クラブからもいくつかオファーがあったなかで、広島に決めた一番の要因は、やはりクラブ愛になるのでしょうか。
「もちろん広島は好きなチームなので、理由のひとつであることは間違いありません。ただ、オファーをくれたほかのチームの話も聞いたうえで、今、どういうチーム状況にあるかをしっかりと確認しました。
順位もそうだし、在籍している選手やスタッフも含め、総合的に見て一番優勝の可能性があるのが広島だった。だから好きな気持ちだけではなく、フラットな視点も持ち合わせたうえで選んだということです」
── 川辺選手の加入以降、広島はしばらく無敗を続けていました。
「僕がプレーする前にも3連勝していたので、自分が出たことで負けたら意味がないと思っていました。自分が結果を出すことよりも、チームの結果がすべて。シーズン途中から入るということは、そういうことだと思っていますから。僕が試合に出るようになってからもチームの勢いを保つことができたという意味では、自分のパフォーマンスも評価できるかなと思います」
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著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。