広島・川辺駿が語る日本代表の同年代〜守田英正、南野拓実、鎌田大地と比較して「自分にしかない特長はある」 (4ページ目)
【青山敏弘の背中を追いかけてきた】
── 川辺選手の背番号66は、6番を背負う青山選手をリスペクトして選んだ番号なんですよね。同じポジションでもある青山選手が引退することをどう受け止めていますか。
「アオくんのキャリアを見ても、主力として3回優勝して、MVPを獲って、ワールドカップにも出た。しかも同じチームでずっとプレーしてきたわけなので、広島にとっては本当に唯一無二の存在で、これから先に現われることがないような選手だと思っています。
自分は若い頃からずっとお手本にしてきましたし、紅白戦でスタメン組とサブ組で試合する時にマッチアップすることも多かった。そういう選手が引退するのは、やっぱりすごく寂しいですよ。
一方で、これだけクラブに貢献してきた選手がいなくなるっていうのは、ひとつの時代が終わって、また新しいフェーズに入るタイミングだとも思っています。クラブの転換期に立ち会えるのは、今いる選手しかできないことなので、それを含めても、やっぱり帰ってきてよかったなと思っています。
一緒にプレーできる時間は残り少ないですけど、ずっとアオくんの背中を追いかけてきました。最後の最後まで、その姿から学びたいなと思っています」
── これからの広島を引っ張っていくという覚悟もあるのでしょうか。
「もちろん、そこを踏まえたうえで帰ってきました。ただ、そういう覚悟を持ってプレーしたいとは思っていますけど、口だけではなく、結果を出さなくては認められない。だから先のことは考えず、まずは優勝という目標に向かってプレーするだけです。それを成し遂げた時に、(周囲からの信頼は)ついてくるものだと思っています」
<了>
【profile】
川辺駿(かわべ・はやお)
1995年9月8日生まれ、広島県広島市出身。サンフレッチェ広島ジュニアユース→ユースを経て2014年にトップチームに昇格。2015年から2017年まで期限付き移籍先のジュビロ磐田で主力となり、広島復帰後も欠かせぬMFとなる。2021年にグラスホッパー(スイス)に移籍し、翌年ウルバーハンプトン(イングランド)と契約。2023年からスタンダール・リエージュ(ベルギー)でプレーしたのち、2024年8月に広島へ復帰した。2021年3月の韓国戦で日本代表デビュー。国際Aマッチ6試合1得点。ポジション=MF。身長178cm、70kg。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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