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久保建英、三笘薫に続くのは? 欧州での活躍を予感させるJリーグのアタッカー5人 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【覚醒が待たれるトップ下のふたり】

 一方、純粋なサイドアタッカーとして昨シーズン、最も可能性を感じさせたのは、FC東京の俵積田晃太(19歳)だ。

昨季、サイドアタッカーとして最も可能性を感じさせた俵積田晃太(FC東京) photo by Yamazoe Toshio昨季、サイドアタッカーとして最も可能性を感じさせた俵積田晃太(FC東京) photo by Yamazoe Toshioこの記事に関連する写真を見る 俵積田はトップスピードでボールを扱う能力に優れ、すでに自分のドリブルの形を持っている。老練なディフェンスに体をぶつけられながらも、前へ入っていく姿は頼もしい。昨年10月のG大阪戦では、自陣からボールを持ち込み、ふたりにマークにつかれながらひっくり返し、ゴールへ持ち込むと、そのまま叩き込んだ。

 一方、トップ下もJリーグが多くの人材を生んできたポジションだ。中村俊輔、小野伸二、本田圭佑、香川真司、清武弘嗣、そして鎌田大地を次々に輩出。昨シーズン途中も、新潟の伊藤涼太郎がベルギーのシント・トロイデンに新天地を求めている。

 ただ、続く世代は伸び悩んでいるか。

 鹿島アントラーズからFC東京に活躍の場を求めた荒木遼太郎(22歳)は2021年、10得点を挙げてベストヤングプレーヤー賞を受賞した。非凡なシュートセンスだけでなく、近い数のアシストも記録。真価を発揮できたら、Jリーグの主役に躍り出てもおかしくなかった。

 鳥栖からJ2いわきFCでの挑戦を選んだ西川潤(21歳)も、才能だけで言えば、レフティアタッカーとして本田や久保に次ぐレベルにあった。2019年のU-17ワールドカップの輝きは幻ではない。多くの指導者が、「大化け」を信じて起用してきたが、継続的なプレーを示せず、「回路をつなげられず」に苦しんでいる。カテゴリーを落とし、試合を重ねるなかでの覚醒が待たれる。

 ふたりは「元・天才」で終わるのか、「欧州の日本人スター」に飛躍するか。それだけの落差があることを感じさせる素材であることは確かだ。

 最後にストライカーだが、このポジションは伝統的に人材豊富とは言えない。

 アジアカップの日本代表だった細谷真大(22歳)は、数少ない「物件」か。昨シーズンも所属する柏レイソルでリーグ5位の14得点を記録しており、欧州挑戦はパリ五輪もあるだけにタイミングの問題だろう。ディフェンスの裏に抜け出す駆け引き、ダッシュ力、フィニッシュ精度などは、Jリーグの日本人FWでは群を抜いている。

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