W杯への決意新たに。工藤壮人の結婚式で思ったこと

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

 Sportivaでスタートする新連載ノンフィクションに向け、筆者は日本代表FW工藤壮人(柏レイソル)の取材を続けている。工藤は4月7日からの代表合宿にも選出された。「W杯メンバー入り濃厚」と言われるが、これは当然のことだろう。

W杯前最後の日本代表候補合宿に参加した工藤壮人(柏)W杯前最後の日本代表候補合宿に参加した工藤壮人(柏) 2011年シーズンに柏のJリーグ優勝に貢献し、クラブW杯でも得点を記録。2012年シーズンにはリーグ戦で13得点、天皇杯制覇をもたらしている。そして2013年シーズンはJリーグで19得点を記録、ACLでも6得点を挙げて「AFCチャンピオンズリーグ ドリームチーム」に選出された。また、ナビスコカップでは決勝で得点を挙げ、MVPに選ばれている。

「ゴールを取り続けることで、ここまで登り詰めることができました。だからこれからもどんな形であれ、ゴールを意識してプレイしていかないと。人生を懸けている、そんな迫力をみせたいですね」

 工藤はW杯に向けた志を語っている。

 今年1月、筆者はその工藤の結婚式に出席する機会があった。とても和やかで愛情に満ちた式だったのだが、新郎新婦が愛を誓う壇上、花嫁の父が工藤に愛娘を託すときの握手は、とりわけ強い印象を残した。端から見ても熱が伝わってくるほどで、工藤は妻となる女性の父の情感を、全身で受け止めているようだった――。

 プロサッカー選手として、男としての覚悟だったのだろう。

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