強い川崎。中村憲剛が語る「J1屈指のポゼッションサッカー」
攻撃的サッカー。それをどう定義するのかは難しいところだが、さしずめバルセロナのようなショートパス主体のポゼッションサッカーを指すとするなら、現在のJ1で最も優れた攻撃サッカーの使い手は、川崎フロンターレで間違いない。
ピッチ上の各選手が「パスを出して動く」を繰り返すことで、おもしろいようにパスがつながる。相手が少々守備を固めたとしても90分かけてジワジワと締めあげ、最終的にはゴールを奪ってしまう強さが、今の川崎にはある。
昨季序盤は、パスを回すばかりでなかなかシュートにつなげられない時期もあったが、そうした課題も完全にクリア。前節(第7節)終了時点で、チーム総得点16はJ1トップの数字である。
川崎フロンターレの主将としてチームを引っ張る中村憲剛 キャプテンの中村憲剛は「主にシュートを打つのは(大久保)嘉人とレナトだけど」と笑いながらも、「(ほかの選手も、パスを回すだけでなく)シュートを打つ場所が分かるようになってきた。(得点する)"雰囲気"が出てきた」と語る。
第5節で対戦した名古屋グランパスの西野朗監督は、0-1の惜敗にもお手上げといった体でこんなことを話している。
「あらためてポゼッションスタイルの優位性を感じた。粘り強くディフェンスしていたが、あれだけボールを動かされれば失点は仕方がない。かなりやれたと思うが、フロンターレはそれ以上のポゼッションだった」
そんな川崎があらためて底力とでも言うべき強さを見せつけたのは、前節の柏レイソル戦だった。
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