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強い川崎。中村憲剛が語る「J1屈指のポゼッションサッカー」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by AFLO

 川崎はMF大島僚太、レナト、FW小林悠と主力3人をケガで欠く苦しい布陣。しかも、試合開始わずか5分で先制点を許したことで、「相手は守ってカウンターを狙うという戦い方が鮮明になった」(中村)。

 不慣れなメンバーがピッチに立ったこともあって、前半の川崎の出来はかなり悪かった。中村も「ここ数試合やっていたような、ボールホルダーに(周りの選手が)顔を出す動きが圧倒的に少なかった。(選手同士の)距離感が悪かった」と振り返る。

 だが、後半に入り、中村がボランチからトップ下へとポジションを1列上げ、さらにMF金久保順が投入されるとパスがテンポよくつながるようになり、流れは川崎へと傾く。そして迎えた73分、中村のスルーパスがDFラインの背後へ飛び出したMF山本真希へ通り、同点ゴールが生まれた。殊勲の山本が語る。

「前半は本来の姿じゃないと全員分かっていた。ここ何試合かは相手を圧倒して勝っているので(追いつける)自信はあった」

 中村が「もったいないゲーム」と開口一番振り返ったように、結果は1-1の引き分け。同点ゴールの後もさらに攻め続けながら逆転することはできなかったが、しかし、メンバー構成や試合展開を考えれば、むしろ「川崎強し」を印象づけた試合だった。

 中村も「これだけケガ人が出て、新しい選手が試合に出るなかで勝ち点1は悪くない」と語り、こう続けた。

「前半はパスが相手に引っ掛かり、消極的になっていた。(ボールを)もらいにいく動作や勇気がなかった。相手が『ここに出すのか?』と思うようなところにパスを出せるかどうか。それは自分たち次第。できるかできないかじゃなく、やるかやらないか、だと思う」

 悪い内容なりに手応えを得たのは、指揮官も同じだ。風間八宏監督は言う。

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