W杯で見たいFW。原口元気を代表に推す理由

  • photo by AFLO SPORT

 6月のW杯ブラジル大会に向けて、注目を集めているアタッカーのメンバー選考。私が今注目している選手のひとりが、浦和のFW原口元気だ。

 原口は今季ここまで、Jリーグで3ゴールを決めており、チームの攻撃を牽引している。

代表候補合宿に招集された原口元気。練習試合でもドリブル突破を見せた代表候補合宿に招集された原口元気。練習試合でもドリブル突破を見せた 試合が膠着状態になったとき、原口がサイドからドリブルで仕掛けることで、ゴールにつながる確率は上がると思うし、相手を押しこんだときに、アウトサイドから原口が突破をすることで、相手の守備ブロックを崩すことができる。

 サイドのタッチラインを踏んだ状態からドリブルをスタートすることが、原口の良さがもっとも出る形だと私は思っている。原口はそのポジションのとき、自分の得意な「型」を持っている。そのため、彼の適性ポジションは日本代表であれば4-2-3-1の「3」の左だろう。貴重な「仕掛けられる選手」として彼の特長を最大限に生かせるはずだ。

 サッカーでは、コンビネーションはもちろん重要なのだが、1対1の仕掛けもまた攻撃のオプションとして必須のものだ。原口のアウトサイドからのあのドリブルの仕掛けは、世界レベルでも十分相手の脅威になるはずだ。

 コンビネーションだけで相手の守備を崩しきって、フリーでシュートやパスができるということは、現代サッカーではほぼありえない。つまり、完全にフリーになることはそうそうない。だからこそ、コンビネーションで相手の守備を揺さぶり、1対1で仕掛けられるいい状況をつくりだすことが重要ということだ。

 たとえば、バイエルンは、サイドアタッカーのロッベンやリベリーが、1対1で有利な状態で仕掛けられる局面をつくるためにパスを回し、連動しているといえる。ワイドに展開して、うまくボールを動かし、攻撃の幅をつくって相手の守備ブロックを崩していく。

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プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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