サッカー日本代表初招集のJリーガー4人は「Xファクター」となり得る チームに新陳代謝が必要だ (2ページ目)
【左CBの新たな選択肢となる可能性】
日本代表の3バックの左サイドでは、伊藤洋輝(バイエルン)や町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)が起用されてきた。伊藤は188cm、町田は190cmだ。それに対して、鈴木は180cmである。
ただ、サイズではコアメンバーのふたりに劣るものの、ビルドアップ能力は遜色ない。ドリブルで持ち出してDFラインの背後へスルーパスを通す、内側のレーンに立ってボランチのように振る舞うといったプレーは、左CBの新たな選択肢となる可能性を秘めている。
ディフェンスの局面でも、力強さを発揮している。J1の戦いでは、デュエルで優勢に立つことができている。サイズのあるオーストラリアのアタッカーや、オランダにルーツを持つインドネシア代表の攻撃陣に、どこまで対抗できるのかは興味深い。
鈴木が昨シーズン途中からクローズアップされたのに対して、熊坂と佐藤は今シーズンからスポットライトを浴びている。
熊坂は大卒1年目の昨シーズンにリーグ戦デビューを果たしたものの、スタメンはわずか1試合だった。プレータイムはほぼ2試合相当の197分に過ぎなかったが、リカルド・ロドリゲス監督が就任した今シーズンは開幕からスタメンに名を連ねてきた。代表活動直前は累積警告で出場停止だったが、スペイン人指揮官のもとで好調を維持するチームのセンターラインを担っている。
柏では2枚のセントラルMFの一角がスタートポジションとなっており、日本代表の3-4-2-1に問題なくフィットできる。試合の流れに応じてアンカーの立ち位置を取るので、4-3-3のアンカーも対応可能だろう。森保監督の戦術には、スムーズに適応するはずだ。
攻撃時はDFラインやサイドバックと連動しながら、ビルドアップの出口となる。そのうえで、攻撃にスイッチを入れる縦パスも刺し込む。パス総数がリーグトップのチームで、敵陣で数多くのパスを出し入れしている。
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