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守田英正が肌で感じたアジアカップの「リアル」――日本がグループステージで苦戦した要因とこの先問われる真価 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 外から見ているだけでも「またかよ」と言いたくなるシーンの連続なのだから、ピッチに立つ選手たちにとっては、さぞかし大きなストレスになっているに違いない。ひいては、試合に対するモチベーションの低下にもつながりかねないのではないだろうか。

 冒頭に記したバーレーン戦にしても、そんなことを想像しながら見ていたのだが、「それもサッカーなので」と意に介さなかったのは、MF守田英正である。

 対戦相手のズル賢いプレーにも苛立つことはないという守田は「逆に僕らがやらなすぎ」だと言い、こう続ける。

「相手はカード覚悟できてましたけど、(日本の選手は)誰もほとんど抗議しないでやっていた。もしかしたら、選手生命に関わるケガをすることもあるし、強く抗議することで次のプレーで(相手選手に)2枚目の(イエロー)カードが出るならそのほうがいい。あくまで得られるアドバンテージは得ないといけない。(抗議しないことを)日本人らしさとか言って、それを美化するのは、僕は違うと思う」

 守田は年代別日本代表に選ばれたことがなく、A代表に定着したのも2021年からとあって、すでにワールドカップには出場しているものの、これが初めて経験するアジアの大会である。

「アジアカップというものが改めて難しいなって感じる。その難しさっていうのは大会が始まってから気づいたというか......」

 最長でおよそ1カ月にもおよぶアジアでの戦いにどっぷりと浸かってみて、そう振り返る守田が、今大会での日本の苦戦を語る。

「僕たちがワールドカップでドイツやスペインにやったように、(日本の対戦相手は)相当な準備をして僕たちに挑んでくる。そこに(相手の)リスペクトを感じながらも、それでも自分たちが上だよっていうものをしっかり見せないといけない。そういう気持ちが先行してしまって、(ただ勝つだけでなく)勝ち方みたいなことにもこだわらないといけないっていうふうにチームで思っていた部分が、たぶんグループステージではあったと思う」

 今大会と同じくカタールで開かれたワールドカップでは、日本が歴史的勝利を手にしたがゆえ、それにふさわしい王者の貫禄を見せなければならない。そんな思いが、選手たちの足かせになっていたのかもしれない。

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