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新・森保ジャパンの第一次政権との違い かたち優先から柔軟な考えにシフト、攻め方のバリエーションは増えた (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【ペルー戦でも同様の攻撃が見られるか】

 ただし、冒頭で触れたように、これはあくまでもエルサルバドルが立ち上がり早々に2失点を喫したうえに、試合開始3分で退場者を出してしまったのが大きく影響したことは言うまでもない。

 とりわけ、10人になった直後のエルサルバドルは4-4-2から4-4-1の布陣を形成せざるを得なくなったうえ、FW登録のケビン・レジェス(19番)が左SBに、右SBタマカスが左CBにそれぞれ移動。急造左SBとなったレジェスが久保や菅原由勢の攻撃を封じることなどできるはずもなかった。

 試合後に「CBを失ったので守備のかたちを変更せざるを得なかった」とウーゴ・ペレス監督が振りかえったように、その後も27分にレジェスに代えてCBロベルト・ドミンゲス(3番)を投入して5-3-1に変更し、後半開始から2人交代を断行して4-3-2で建て直しを図るなど、ペレス監督は試合終盤まで試行錯誤。単に1人少ないだけでなく、相手が選手と陣形を頻繁に変えざるを得なかったことによって、通常の11人対10人の試合より、日本が思い通りの攻撃を実行しやすい環境が整っていたと言える。

「(次の)ペルー戦は間違いなくスピード、強度ともに、今日の試合とは違う。激しく厳しいハイスピードな試合になる」と予測した森保監督。果たして、20日のペルーとの試合でも、日本はバリエーション豊かな攻撃を見せられるのか。エルサルバドル戦ではほとんど問われなかった自陣でのディフェンスの機能性も含め、注目が集まる。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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