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魅力的だった日本代表の右サイド。海外組と国内組の差はなくなった (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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 キルギス戦に話を戻せば、先発11人中、海外組が3人(川島永嗣/ストラスブール、原口元気/ウニオン・ベルリン、守田英正)に対して国内組7人(無所属1人=浅野)。まさに国内組主体のメンバーで臨んだわけだ。それが1.5軍なのか、1.8軍なのか、微妙なところだが、その割にはまずまずの出来だった。

 ミャンマー戦(5月28日)からこのキルギス戦まで、U-24日本代表との一戦を加えると、日本代表は直近で5試合戦ったことになるが、その戦いを通して露わになったのは、国内組と海外組との間に、かつてのような差はなくなっていることだ。よく言えば粒ぞろい。特別、力が落ちる選手はいなかった。

 U-24日本代表にも同様の印象を抱く。川崎所属の3人(三笘薫、田中碧、旗手怜央)はその典型になるが、招集された選手全員が、それなりのレベルを保っていた。最終メンバーに残るのは誰なのか、いまの時点では知る由もないが、落選することになる選手との間に、明確な差は存在しない。U-24代表も粒ぞろいだ。

 逆に言えば、突出した選手がいない。エース不在。10段階で7の選手は多くいても、8、9レベルの選手は数少ない。海外組と言っても、ビッグクラブで活躍している選手はいない。長友佑都が所属するマルセイユ(フランスリーグ5位)、鎌田大地が所属するフランクフルト(ブンデスリーガ5位)が最上位だろう。コンスタントにチャンピオンズリーグに出場するレベルのクラブでプレーしている選手はいない。

 国内組のレベルが上がったのか。海外組が頭打ちの状態なのか。いずれにしても両者は接近した関係にある。それを象徴する選手が三笘や田中、さらにはキルギス戦でハットトリックを達成したオナイウ阿道になる。

 これは選択肢が広がったことを意味する。誰が出場してもそう変わらないことが判明したことが、このシリーズの最大の収穫と言えるだろう。粒ぞろい。まさにレギュラー争いは混沌とした状況にある。ただ、7の選手は数多くいても、8、9の選手は数少ないという現実と、日本サッカーはどう向き合うか。監督の力量が、いっそう問われることになっているのは確かである。

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