検索

【プロ野球】元ホークス監督・藤本博史が語る異色の指導者論 11年の居酒屋経営が育んだ「人と向き合う力」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── やってみて、いかがでしたか?

藤本 もともとマスコミが苦手でしたし、しゃべるのも得意ではありませんでした。しかし、居酒屋をやったことでものすごく勉強になりました。店ではまったく知らないお客さんから話しかけられても、愛想よく接しなければ商売になりません。コーチ、監督になった時、選手の長所をマスコミにアピールできたのも、居酒屋での経験があったからこそだと思います。

【柳田悠岐をマンツーマン指導】

── 逆に、現場から11年間のブランクがあって、球界に復帰したのはどういう経緯だったのですか。

藤本 当時GMだった小林至さんから、「二軍の打撃コーチをやってもらえませんか」と連絡いただいたのがきっかけです。ホークスジュニアでの指導の仕方を見ていてくれたのかもしれません。

── どういう指導法だったのですか。

藤本 私の現役時代は、「やれ」と言われたら「はい」としか言えない時代でした。しかし、今はもうそういう時代ではありません。仮に何かをやらせるにしても、その理由をきちんと説明する必要があります。たとえば調子が悪い選手には、「こういう練習方法もあるよ」と、いくつか選択肢を示してあげる。「ダメだったら、次はこれをやってみような」という形の指導でなければ、選手はついてきません。

── 2011年から8年間打撃コーチをされました。印象に残った選手はいますか?

藤本 打撃コーチ1年目に二軍で指導したのが、プロ入りしてきた柳田悠岐です。球団からは「1年目は投球に当てにいくような打撃ではなく、まずはフルスイングをさせてほしい」と言われていました。そこで2年目を迎えるにあたり、「さて、どうしていこうか」と考え、タイミングをはじめ、さまざまな点を一緒に練習に取り組んだわけです。ああ見えて、とても研究熱心な選手ですよ(笑)。

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る