戸田で交錯するヤクルト二軍選手の思い 特守で変わった北村恵吾、支配下に挑む西濱勇星、若手に刺激を受ける川端慎吾
ヤクルトファーム 灼熱の戸田物語(2)
真夏の戸田球場。炎天下のグラウンドでは、立場も年齢も異なるヤクルトの二軍選手たちが、それぞれの想いを胸に黙々と汗を流している。
8月10日の阪神戦で代打ホームランを放った北村恵吾 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【毎日特守をやらせてください】
3年目の北村恵吾(24歳)は、1年目こそプロ初本塁打がグランドスラムという派手な活躍を見せたが、この2年は「もちろん悔しさはあります」と戸田暮らしが続いている。
北村は常々「自分は打撃でアピールしないと」と口にしているが、今年はそれに加え、土橋勝征コーチに「これから毎日、試合後の特守をやらせてください」と申し出て、西浦直亨コーチや裏方スタッフの協力も得ながら、4月から取り組んでいる。
「打撃の状態が上がってこないなかで、守備ではエラーをするし、打球にも反応できないで......。まずはチームに迷惑をかけないため、『守備がうまくならなあかんな』と思ったんで、土橋さんにお願いした感じです」
居残り特守には、ドラフト同期の橋本星哉(24歳)や西村瑠伊斗(21歳)らも参加し、汗と泥にまみれながら「はい、前、前、前!」「一歩目、一歩目!」といった声が飛び交い、雰囲気は明るい。雨の日も欠かさず行なわれ、北村は特守を終えたあとに"おかわり特守"をする日もあった。その後は選手寮の室内練習場で、坪井智哉打撃コーチとのバッティング練習も続けている。
「自分のマインドの変化だったり、体調の変化で、ここまでやってきたことを継続しないのはもったいないですし、納得いく形で1日を終わりたいというのがあるんで」
北村の守備の成長を見れば、「継続は力なり」という言葉が本当だと実感する。
「自分でも試合のなかでの成長を実感しています。特にセカンドは一番練習していますし、守っていて安心感があります。Gタウンで二遊間のゴロをダイビングキャッチしたプレーがあったんですが、その時『球際が強くなったかも。反応もよくなったかも』って思いました(笑)。あとは、練習を積み重ねたことで体力もついてきたのかなと。足もよく動きますし、暑いなかでも試合中に集中力が切れることはないですね」
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著者プロフィール
島村誠也 (しまむら・せいや)
1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。




































