戸田で交錯するヤクルト二軍選手の思い 特守で変わった北村恵吾、支配下に挑む西濱勇星、若手に刺激を受ける川端慎吾 (3ページ目)
そうしたなかで、下川と沼田が支配下を勝ちとった。
「なんて言うんですかね、支配下になれなくて悔しい気持ちもあります。でも、今年は関わってきた人たちが他の球団でも何人か支配下になったんですけど、一緒に頑張ってきたので、ものすごくうれしかったですね。来年は自分がその立場になれるようにと、モチベーションになりました」
8月2日、西濱はオイシックス戦に登板。1回を無失点、2奪三振。最速は151キロをマークした。
「感覚は、今年一番よかったです。狙ったところに投げられましたし、(マイク・)バウマン選手から教わったスプリットとチェンジアップの中間のような変化球もいい感じでした。自分にとっては、いわば再スタートですね。まずは来年、再契約してもらうことが一番の目標なので、気持ちを切り替えて結果を残せるように取り組みたい。来年こそ、支配下に上がって一軍で投げられるようになりたいです」
8月11日には、山本哲哉二軍投手コーチ、2年目の翔聖(19歳)とともに一軍練習に参加。試合も観戦して「楽しかったです」と、モチベーションを高めて神宮球場をあとにした。
【下手なところは見せられない】
プロ20年目の川端慎吾(37歳)は、野手組では最も早く球場入りし、打撃ゲージや防護ネットの出し入れを率先して行ない、練習も若手と同じメニューをこなしている。
「今は『絶対に一軍で活躍するんだ』という気持ちだけで頑張っています。戸田で若い選手たちと一緒に練習し、試合をすることが刺激になっています。何て言うんでしょう......下手なところは見せられないというか、見本にならなければという思いがあります。自分にプレッシャーをかけながら、一生懸命頑張っている感じですね(笑)」
若い選手たちについて聞くと、「今はガツガツした子が本当に少ないので」と言い、こう続けた。
「僕らが若い頃は嫌でも量をこなすという感じだったんですけど、今は自分でしっかり考えて取り組まなければいけない時代です。だからこそ自覚を持って、もっともっと練習しないといけないと感じています」
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