戸田で交錯するヤクルト二軍選手の思い 特守で変わった北村恵吾、支配下に挑む西濱勇星、若手に刺激を受ける川端慎吾 (2ページ目)
8月3日、神宮球場で行なわれた阪神戦。北村は2年ぶりに一軍登録され、8回裏に代打で登場。岩貞祐太の前に1ボール2ストライクと追い込まれながらも、フルカウントに持ち込み、ダメ押しとなる3ラン本塁打をレフトスタンドへ叩き込んだ。カウントを整えられることが持ち味の、北村らしさが光る内容のある打席だった。
「最初はめちゃくちゃ緊張して、ふわふわした感じでしたが、カウントを整えたくらいから楽にはいけたかなと。この球場、この舞台で野球をしたいとファームで頑張ってきました。ここからずっと一軍の戦力になれるように、やってきたことを継続していきたいです」
8月7日の巨人戦ではセカンドで先発出場、10日の阪神戦では代打ホームランをレフトスタンドに放ち、13日のDeNA戦でもホームラン。
「バッティングの感じはいいですね。結果が出ているのもあって、ちょっとびっくりしているくらいです(笑)。自分のなかでは、守備で『大丈夫だな』と思えたことが大きかった。セカンドの守備はかなり緊張して、マジでやばかったんですけど、(巨人戦で)増田大輝さんのゴロをランニングスローでアウトにできたことで楽になりました」
一軍では戸田のように、試合後に「特守」はできないが、松元ユウイチコーチや寺内嵩幸コーチにお願いして、試合前に「相当ハードな意識で練習しています」という。
「ここからも一日一日、必死に頑張っていくだけです」
【来年こそ支配下を目指して】
今シーズン、ヤクルトは12人の育成選手から、1年目の下川隼佑(25歳)と7年目の沼田翔平(25歳)が支配下登録選手となった。
同じ育成の3年目・西濱勇星(22歳)は、躍動感あふれるフォームから150キロを超える真っすぐを武器に支配下を目指したが叶わなかった。
「5月まではすごくいい感覚だったんですけど、いろいろあって、徐々に球速が出づらくなる体になってしまって......。そこから無理して球速を戻そうとした時に、感覚がバグってしまったというか」
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