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【プロ野球】ヤクルトの未来の正捕手の目指す5人の若手 「ポスト・中村悠平」に名乗り

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

ヤクルト正捕手争いサバイバル(後編)

前編:ヤクルト捕手陣の勢力図は変わるか?>>

 今シーズンのヤクルト捕手陣は、プロ17年目の中村悠平が中心にどっしりと座り、その背中を経験豊富な松本直樹、古賀優大、内山壮真が追い、さらに彼らを下から押し上げるように5人の若手捕手が控えている。それぞれ個性豊かで、チームへの貢献が大いに期待されている。

 中村は今年のキャッチャー陣について、「みんなでしのぎを削りながら、切磋琢磨していきたいですね」と答えた。

「誰が試合に出ても勝たないといけない。チームを勝利に導くためにどういうリード、どういう打撃をするのか。自分にしかできないこともあるし、それを生かさないといけない。それぞれタイプがあるので、各々の特長をしっかり出せるようにしなければいけないと思っています」

 下からの突き上げについては、「大きな壁でありたいというのはもちろんあります」と言って続けた。

「まだまだ若手には負けないぞという気持ちですし、そのなかで質問されたらアドバイスはします。僕から声をかけることもあるでしょうけど、基本的には自分で考えて課題に取り組み、試合に臨むことがすごく大事だと思っています」

【中村悠平という大きな壁】

 2月の春季キャンプ、若手捕手たちは中村という大きな壁に立ち向かい、自身の未来像を描きながら鍛錬を積んでいた。

 新人の矢野泰二郎(22歳)は、ドラフト5位で四国アイランドリーグの愛媛から入団。新人合同自主トレでのタイム走などは常に上位で、一軍の沖縄・浦添キャンプに抜擢。朝早くから練習のための準備をする姿が印象的だった。だが、下半身のコンディション不良で一軍キャンプ完走はならなかった。

「ケガをしないことが一番だったのですが、体力面もそうですし、何かが劣っていたのだと思います。必要以上に力が入ってしまいましたし、やる時はやって、抜く時は抜くことが全然できてなかった。そこもケガにつながったのかなと。今は切り替えて、次またケガをしないように練習に取り組んでいきたいです。やっぱりケガをしない選手が一軍にずっといられると思うので」

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著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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