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【プロ野球】ヤクルトの未来の正捕手の目指す5人の若手 「ポスト・中村悠平」に名乗り (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 矢野にとっては苦い経験になったが、「一軍の選手と練習できてほんとによかったです」と前を向いた。

「先輩方を見ていると、スピード感がすごいですよね。スローイングもそうですけど、声かけとか、とっさの判断も早い。自分にとって目指す目標ができました。1試合でも多くマスクを被り、一軍でずっと試合に出られるキャッチャーになりたい」

 キャンプでは、これまでYouTubeの動画で勉強していたという古田敦也臨時コーチから直接指導を受けるなど、大きな財産となった。

 橋本星哉(24歳)は、キャッチャー陣のなかで唯一の左打者である。昨年は二軍で103試合に出場し、打率.260、7本塁打、42打点、8盗塁をマーク。シーズン最終戦には、初の一軍出場も果たした。広角に強い打球を飛ばせるのが魅力で、スピードも持ち合わせている。

「中村さんが経験豊富で突き抜けた存在なので、そこをみんなで脅かしていくことができれば、チームはもっと上にいけるんじゃないかと思っています。そのなかでバッティングは一番でいたいですし、一軍で100試合、100安打、ホームラン10本を目標にしています」

 春季キャンプでは、昨年秋から取り組んでいたサードをメインに練習し、外野ノックも受けた。

「今までのようにガッツリとキャッチャーではありませんが、守れる準備はしています。打撃を期待されているので、そこをしっかり頑張っていきたい。イメージとしては、広島の坂倉将吾選手のような......。坂倉選手は外野はやっていないので、そういう意味で、新しいタイプの選手になれたらと思っています」

【二軍キャンプで鍛錬の日々】

 二軍の宮崎・西都キャンプ。将来の正捕手候補として期待されているのが、2年目の鈴木叶(18歳)だ。昨年の新人合同自主トレでは、打撃練習でバックスクリーン最上段に直撃する打球を2本放ち、一軍デビューとなった6月12日のソフトバンク戦では4打数2安打2打点の活躍を見せた。

 その打撃に注目が集まっていたが、衣川篤史二軍バッテリーコーチは「鈴木は当たれば飛びますが、どちらかと言えば守備でポジションを奪っていくタイプ」と言う。

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