【プロ野球】ヤクルトの未来の正捕手の目指す5人の若手 「ポスト・中村悠平」に名乗り (4ページ目)
【二軍レギュラーから一軍昇格を目指す】
中川拓真(22歳)は、昨年7月に火の国サラマンダーズから入団。スワローズの捕手陣に故障者が続出し、緊急的な補強だった。
「運は僕に向いていると思うので、誰よりも燃えたぎっています。(オリックスを戦力外後)独立リーグからまた支配下でNPBに戻ることはまずないですからね。このチャンスを生かさないでどうするんだと。2月のキャンプは、もうシーズンインくらいの気持ちで入りました」
中川がアピールするのは「秋から取り組んでいる打球速度や飛ばす力はついてきました」と語るバッティングだ。
しかし、前出の衣川コーチが「頑張っているけど、まだまだ課題が多い」と話すように、フリー打撃では高い弾道と飛距離にコーチ陣や観客席がどよめく一方で、バットを2本折る日もあった。
「打球速度はほかの選手よりも数値が高いので、ちょっと優越感はあります(笑)。でも、いくら速くてもボールが当たらないと意味がないんですよね。この前、池山(隆寛)監督にタイミングの取り方とか教えてもらったので、しっかり身につけたいです」
中川がまず目指すのは「二軍でレギュラーになること」だ。
「そしてシーズン終盤に一軍昇格できたらいいなと思っています。ほかのキャッチャーにはないところを伸ばしていって、右の代打でも一軍ベンチに入れたらいい。そこからなんとかチャンスをもらって、いずれ中村さんを超えられるように頑張っていきたい。客観的に見て、今年がラストチャンス......やりきりたいです」
前出の中村は、昨オフにチームと新たに3年契約。自身の通算1000本安打まであと「26」と迫って、今シーズンを迎えることになった。
「1000本安打はプロに入った頃には考えられない数字で、そこにようやく手が届きそうなところまできた。ここまでよく頑張ってこられたという感情と、これを通過点にしないといけないという、ふたりの自分がいます。節目の数字は励みになりますし、個人記録の積み重ねがチームの成績につながる部分もあると思います。まあ2000本安打はあれですけど(笑)。いずれにしてもこの節目の数字は、まだまだ通過点にしたいですね」
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