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元DeNAの有望株が楽天戦力外を経てたどり着いた異国の地 櫻井周斗がカリビアンシリーズでつかんだ希望の光 (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 日本が国際大会に出場すると、決まって異なるボールやマウンドにどう適応するかが大きなテーマになる。しかし櫻井は、もっと大きなものをかけて勝負のマウンドに登った。

「僕はNPBで結果を残せなくて、今の状況になっています。実力を出しきれなかった自分をどうにか20代後半で改善して、キャリアを築きたい。そのチャンスを求めて来て、ドミニカ戦やメキシコ戦でレベル感を確かめられたのはすごくよかったです」

 2025年シーズンの開幕を控え、今はどこの球団にも所属していない。そんな状況だからこそ、いかにアピールできるかが今後のキャリアにかかってくる。フリーエージェント(=自由契約)でカリビアンシリーズに臨むラティーノたちと同じように、櫻井は自分の道を切り拓こうと腕を振った。

「こんなにアドレナリンが出るのは久しぶりでした。NPBの一軍でも同じくらい出ますけど、ポストシーズンみたいなところでやれる機会は本当に久しぶりだったので。野球で食っていくという気持ちの出し方を、すごく思い出させられた大会でした。自分の契約がどうなるかわからないなか、人生がかかっていることを再認識できて本当によかったです。そして、現役続行の決断をしてあらためてよかったなと。またそういう勝負ができる世界で、今後もやれるだけやっていきたいなと思いました」

 まだ25歳。バハ・カリフォルニアを照らす太陽の下、櫻井は笑顔で未来を見据えた。

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