元DeNAの有望株が楽天戦力外を経てたどり着いた異国の地 櫻井周斗がカリビアンシリーズでつかんだ希望の光 (2ページ目)
そんな折に決めたのが、海外挑戦という道だった。外国からNPBにやって来て、たとえ育成契約からでも勝負をかける選手が多くいる。日本では望んでいたキャリアを築けなかったが、韓国やメキシコなどでプロとして道を切り拓こうとする日本人選手もいる。多くの人に話を聞き、選んだ進路だった。
「日本でキャリアを続けることが、日本人としては望ましいかもしれません。でも現実問題、それを続けられるのはひと握りの人間です。NPBでやりたい気持ちはあったけど、それがかなわない以上、何かを変えるしかない。その選択肢が海外にあるなら行きたいと思い、今回参加しました」
【先発として勝負したい】
NPBで過ごした6年間、ほとんど中継ぎで登板してきた櫻井は、先発で勝負したいと決意した。日本でその機会を得られないなら、海外に行くしかない。そのチャンスをくれたのが、プロ入り3年目までDeNAの監督としてともに戦い、ジャパンブリーズを創設したアレックス・ラミレスだった。
栄誉あるカリビアンシリーズで、日本チームにとっての初戦先発という大役を任されたが、悪い顔を覗かせてしまった。翌日も暗い顔をしているのは、至極当然だろうと想像できた。
「そもそも(コースを)狙って入るピッチャーではないので......。そうじゃないからこそ、今までの悪かった自分を何とか変えて、海外で勝負したいという気持ちがありました。そうやってオフシーズンに取り組んでいたなか、こういう結果になったのはすごく残念です。長らく抱えていた自分の課題が制球力。野球を始めてからずっとそうなので、簡単に治るものではないと思いながら、昨日の試合(ドミニカ戦)はもっと何とかできたという部分もあります」
そう語った2日後の2月4日、ベネズエラ戦の前に再び櫻井を訪れると、晴れやかな表情を浮かべていた。前日のメキシコ戦で、リリーフとして結果を残すことができたからだ。
1対7で迎えた6回から登板し、2イニングを被安打1、与四球1、奪三振3。球威あるストレートを中心に押し、ドミニカ戦とは別人のような投球だった。
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